快心 ページ6
「A」
夢から呼び起こした誰かが、私の名前を呼んでる。
…ゆっくり目を開くと、すぐそこに仁さんが居た。
掛け布団を口元まで引っ張り上げ、もそもそと呟いた。
「お、おはようございます…」
「ああ。」
朝からとんでもないサプライズを受け、瀕死になる私。
こんな良い目覚めは久々だ。
そのまま仁さんと見つめ合う状態で固まっていると、仁さんから話を始めた。
「…千鶴から聞いたが、昨晩は男所帯の中で寝かせるような案内をさせて悪かった。…スタッフが三毛門のファンらしくてな。お前も三毛門の類だと思っていたらしい。」
なるほど、私も女装男子だと思われていたのか。
三毛門ちゃんの美人さにどう考えても敵わないレベルなんだからそう見られても仕方がないな。
本当にすまない、と頭を下げ…
「あっ、待って下さい」
ガバッと起き上がると、仁さんは顔を上げて私を見た。
「じ、仁さんが謝ることではないです！！私気にせずに寝ようとしちゃったし、三毛門ちゃんが可愛いのも仕方がないし(?)、その、頭を下げるのは…！」
あわててつらつらと仁さん過激派の言い分を告げると、仁さんは少し固まってからフッ、と笑った。
「…フフ、そうか……俺に頭を下げて欲しくないのか。…すまないな、理想を壊すような真似をして。」
考えてることがモロバレである。頭を下げる仁さんは解釈違いだ。
仁さんはゆっくり立ち上がり「では、朝練の為に浜辺に行かないとな」と言った。
私も立ち上がろう、と思った時、仁さんが私の目の前に手を差し伸べた。
仁さんを見上げる。
「…昨日はうちの部下が無礼な真似をしたからな。その分、俺が良くしてやろう。…ほら、手を取れ。」
「…！！！は、はひ」
はわ。。
私は、恐る恐る仁さんの手を取り、立ち上がった。
「…着替えたら呼んでくれ。共に向かおう」
仁さんはそう言ってから私の手の甲にキスをおとし、部屋から出て行った。
「？？？？？？？？？」
？
？
ひとまず頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになりながらも着替える。
え？？
お？？？
…自分の手の甲を見て、じっくり考える。
…うーん…
……！！！
ようやく今身に起きた出来事を理解すると同時に床に崩れ落ちた。
そしてそのまま服の袖に手を通し、再び立ち上がる。
世界一心臓に悪い目覚めを経験して無事心臓が破裂した私は、部屋の前で待ってるであろう仁さんの元に向かった。
もう一生手を洗わない。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
