下手な助言 ページ35
ゆめシステムにログインすると、既に会場は一般生徒達で盛り上がっていた。
報同さんや先生達のトークが場を温め、私達特進生徒の成績が決まる『期末ライブ』を見守るために、しっかり待機している。
特進生徒が待機する舞台袖の、さらに奥。
となりで私の手を握る悠馬に声をかけた。
「悠馬、本当にいけますか。」
悠馬は苦しそうな顔で頷く。
「とりあえず、行かせてください。」
「……無理したらいけませんからね」
「…A先輩も。」
そう言って悠馬は私の手を離し、柳が待っている舞台袖へと向かった。
悠馬は…………。
「…」
「Aさーん」
急に呼ばれ、顔を上げると笑顔の雛次君が居た。
「Aさん、こんなとこにいたんだね！ログインしてこないから焦ったよ。また怒らせちゃったかなって」
「、すみません」
「……具合が悪いのかい？」
「いえ、そんなことは無いです」
彼が舞台袖に向かったので、私も彼に続く。
彼は私の方を見ないで言った。
「………望月君、花房君と何かあったの？」
「…」
答えれない。
だって、さっき悠馬が悲しそうに話してたこと、私が簡単に、他人事で口伝いできるわけがない。したくない。
彼には悪いけど、ペアとして、で無く、この話題は望月悠馬の友人として、取り扱いたいのだ。
彼は押し黙る私を一瞥し、無駄だと思ったのか「そっか。」と諦めてくれた。
雛次君はケホ、と咳をした。
「風邪ですか？」
「え？……ぁあ、どうだろうね。この前気管支の腫瘍取ったばかりだから、その名残かな」
「……気管支の…」
物騒な話題をくりひろげようとした途端、急に周りがホワイトアウトした。
すると、唐突な吐き気と目眩が襲ってきた。
ああ、なんて苦しい夢だ！！！
思わず吐きそうになり、嗚咽する。涙がじんわりと滲み、鼻水も垂れてきた。
なにか、ゆうまが、……ゆうまが、話しているのが聞こえる気がする
これは、悠馬の、夢……？
「先輩は優しくていい人だ……！だから理由があるはずなんだ！」
……真っ白で不安なユニゾンの夢の中、悠馬の叫び声が響き渡る。
……まだ、柳を信じようとして…
私は気持ち悪さから逃れるために、ブチッと音を立てて、システムからログアウトした。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
