○ ページ34
「言えよ。何約束させられた」
悠馬に詰め寄った獅子丸君は、冷静に問いた。
悠馬は、口をもごもごさせて、めを泳がせて、下を向いたまま、
「………………………………何も」
と言った。
「なんで庇う。あいつ下手したら犯罪者だぞ」
「柳先輩は……………いい人だ。新兎、携帯返したから。それじゃあ」
そう言って悠馬は走り出した。
「悠馬……！」
咄嗟に何が起こったか分からなくて、でも、取り敢えず悠馬を追いかけた。
私は、……私は悠馬の、
________________________________________________________
悠馬がたどり着いた先は屋上だった。
「…………悠馬」
「…A、先輩。…………」
少し曇ってて、星が濁って見える。
すっごく暗くて……。
もう、期末のゆめライブが始まっちゃうのに、悠馬は私を見つめたまま、動こうとしなかった。
私もしっかり、悠馬の目を見つめ返す。
やっぱり前髪をあげて顔を出した方が、悠馬のかっこよさが引き立つ。
私は、……悠馬の味方だ。
「……悠馬、経緯を説明してほしい。あなたは柳に何をされたんですか。」
「……」
「…話せないんですか…私にも。」
「…………」
黙ったまま、目を逸らした悠馬に近寄り、手を伸ばせば届く距離で立ち止まった。
「私が信用できませんか」
ちょっと意地悪な言い方だが、悠馬が話してくれる方法はきっとこれしかない。良心に訴えれば、悠馬は受け入れてくれるんだ。
予想通りどもった悠馬は慌てて私の両方の肩を掴んだ。
「…！……それは、…違う……でも、」
「でも？」
「…………柳先輩は、いい人だ」
「……。」
悠馬の頬に涙が伝った。
こんなに悲しそうな顔は初めて見た。
新歓パーティで皿屋さんになってた時も、新兎君にお菓子を食べられちゃった時も、私達黒寮にライブを乗っ取られたときも、私がベタ塗りをはみ出した時も……_______
こんな顔は、しなかった。
「……柳は、いい人かもしれません。でも、少なくとも貴方は柳のせいで悩んでる。柳はみんなにとって優しいかもしれない、けど……今、貴方はちゃんと考えるべきです。」
悠馬は観念したかのように、わなわな、とその場に座り込んでしまった。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
