自分の意思で ページ25
ぼーっとしながらバスに揺られていた。
咄嗟に財布を持っていたので、なんとなく、制服のままだけど、実家に行ける駅に向かうべくバスに乗った。
ケイタイは偶然持っていたが、充電を忘れてしまってつかないようだ。普段からしておけと、三毛門ちゃんに口を酸っぱくして言われているのだがつい忘れてしまった。
「ライブなんて失敗して、フォロワーなんて最下位に決まってるのに唯一挽回できるテストを放ったらかしてよかったのか」
良くない。完全にやらかした。どうしよう、私のとりえなんて東雲学園特進ってだけなのに。
ただの一般生徒なんかになってしまったら自分自身を見失いそうだ。
よくよく考えたら別に私は悪くないんじゃないか？ 出て来る必要なんて無かったんじゃないか？
雛次君が悪い事をして、それを咎めただけなのに、口論になって、由仁君……由仁君については完全に私が悪いけども。
人が随分減ったバスの中で、窓に映ったクソみたいな自分を見つめる……。
風景に溶け込んでゆらゆら揺れているが、はっきりと死んだ顔をしているのが判る。壁にもたれかかり、人が少ないからという理由でぐったりと足も投げ出した。
「なにしてんですか……ほんとに」
そんな私に思わず呟いたが、少なくとも人がいるのに独り言を言ってしまってめちゃくちゃ恥ずかしくなって、姿勢をただして座り直した。
なんだろうか、私みたいにライブが出来なくて、そう、「落ちこぼれ」…の仲間が出来たと思ったのに……彼の向上心に対抗して、彼の首席を望む熱意に、嫉妬でもしてたんだろうか。
ああ、そうか、そうだな
完全にそうだな
ムカついたんだ、
バスの運転手のやる気のないアナウンスが流れた。
そろそろ終点に着くらしい
今まで周りの「ゆめライブで夢を与えられる」皆の必死な姿なんて、見ていて微笑ましい、私には関係ない、程度に思っていた。
それなのに、私と同じ「落ちこぼれ」、「ゆめライブで夢を与えられる側」の雛次君が必死になってるのを見て、なんか、私だけが冷めてるのが悔しくて、イライラしたんだ。分からないけど
なんだか急に頭が冴えた気がした。
バスの外には、ビルなどの面影はなく、完全に「田舎」という感じだ。
今から学校に戻っても1日目のテストは終わってるだろう。
猿渡先生に必死で頼めば、テストを受けさせてくれるだろうか。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
