○※ ページ23
「雛次君」
「……はい」
現在時刻は7時。いつもならそろそろ教室に向かおうか、と余裕を持って動く時間だ。
しかし現在、私は部屋にいる。
何故か隣には由仁君。
そして目の前には正座をする雛次君。
彼がいじっていたケイタイを後ろから盗み見たところ、簡単に説明すると、彼が今退院してここにいることはご両親に伝わっていない、という事が分かってしまった。
由仁君がいるのは遊びに来たからだ。
私の隣に座りながら、心配そうに雛次君を見つめる。
「ヒナ、病気なの？」
「……まあ、そうだね」
雛次君は、ニコニコしながらもばつが悪そうな話し方をした。
「……親に黙って出てきたなら、今頃大変な事になっているのでは？」
由仁君の頭を撫で、雛次君をもう一度見た。
「父さんは僕のお見舞いになんてこないから大丈夫だよ。東雲ネットワークだって見ない。」
「ヒナ……」
「僕が〆切までに原稿を送ればそれでいい。」
ね？と嬉しそうな顔をしているが、全く吉報では無い。寧ろ彼の身体が大事に至ったら、彼の父親はどうするつもりなのだろうか。
「……Aさん、頼むから誰にも言わないで」
「…」
「期末ライブ、出ないと特進に居残れるかも分からないんだよ」
ならば去年はどうしたんだ？と思ったのは置いておこう。
私の制服の裾を由仁君が引っ張った。
「……A、ヒナの父様に告げ口したら、ヒナが困るの…」
「由仁君」
いつものほんわかした微笑みを無くしたかのように、眉間に力を込めて、彼は話を続けた。
「ヒナが居なくなったら、Aはひとりぼっちなの」
「…ゎ」
「ひとりぼっちは可哀想なの…」
発言のタイミングを与えられないまま、由仁君はどんどん意見を述べる。
「ボク、兄様がジャポーネに行ってからずっと一人だったの…だからっ、Aにおんなじふうになってほしくないの！」
「でもそのうちバレちゃうんですよ」
「それでも、それでもっ…！」
「……雛次君は自分がどれだけ脆いか解っているんですか？」
由仁君から目を逸らして、雛次君を睨んだ。
「それは勿論、分かって…」
「ヒナが倒れたりした時はシバサキに言えばいいの！」
由仁君が雛次君の言葉を遮りながらまた視界に入った。
……今、二人の話をしているんであって
「由仁君には関係ありません！」
「！！」
あっしまった
「Aさん、…！」
咄嗟に雛次君が立ち上がり、由仁君に駆け寄った。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
