○ ※ ページ21
授業が終わり、特に用事もないのでゆっくりと部屋に向かう。
テストまでの猶予がなかなか迫っているが、まあ大体解けるはずだ。今まで通り、のらりくらりやろう。
そんな事をぼんやり考えながら部屋のドアを開けると、珍しく電気が付いていた。
ソファーに座る私のペアを見て少し口角が緩んだ。
付けっ放しにしたか？と思ったがどうやらひさびさに雛次君が帰ってきているみたいだな。
……いや、彼にとってここは自分の住む部屋というよりは泊まり先か？どうでも良いな
彼は私に気付いた様子で、顔をゆったりとこちらに向けた。
「…あ、Aさん」
「雛次君。体調は良いんですか？」
私がそう言うと首を縦に振った。
その様子に安堵し、荷物を机に置くと、雛次君が声をあげた。
「ねえ、Aさん。……今からゆめライブしないかい？」
「……は？」
なんか、最近爆弾発言に出会うことが多いな
「いや…だって」
「頼むよ。」
雛次君はソファーから立ち上がり私の目の前まで歩いてきた。
いや、ゆめライブのせいで体調崩して長い間病院だったのによくもまぁそんなことを……。
「期末ライブまであと少しなんだ、このままだと僕達のユニゾンだって最低で、フォロワーだって……」
彼は自分の携帯を開き、見慣れた画面…東雲ネットワークの自分のページを表示した。
……フォロワー、の欄がかなり少ない。
「……僕、皆の前に出たことって本当に全然無いんだろう？僕のファンが何人かポツポツとフォローしてくれてるくらい」
…ちなみに彼は、有名なシナリオライターだ。
雛次君は「そもそもこの学園に僕の脚本や小説を読むような人がいるのが驚きだね」と続けてから携帯を閉じた。
「ねえAさん、僕こんなんだけど、一応首席で卒業するのを夢に見てるんだよ」
「…………」
私は予想だにしなかったちゃんとした真面目な話にビビりながらも、なんとか、なんとかして、彼の目をしっかりと見つめた。
彼は、握手を求めるかのように手を差し出してきた。
「首席で卒業したいんだ」
…………………………首席
考えた事もなかった。
"首席で卒業したら、夢が叶う"
それを目的で特進に進もうとする人も多いが、滅多なことではここには入れない。
……しかし、稀に私みたいな冷めた生徒も入れてしまうのだ。
叶えたい夢なんて今のところ無い。
なんだか前会った時より焦った顔をしている彼の手に自分の手を重ねた。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
