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着替え終わり、食事に向かった。
案内されて向かった場所は、美しく装飾された大広間の和室だった。
卓には、常人なら絶対にお目にかかれないような豪勢な食事が並んでいる。
さっきまで私の手当をしてくれていた筈の千鶴は既に笑顔で仁さんの隣に着いている。
「ん、Aか。三番乗りとはなかなかやるな」
仁さんが私に気づいて微笑んでくれた。神々しい。
千鶴は少しだけ振り返り……おそらく服装の確認をしてまた仁さんを見つめなおした。
「ありがとうございます。ゆめ空間と違って現実では体力に自信があるので」
ブラックジョークだ。黒寮だけに。
「良いことだな。ほら、卓につけ。食事が冷めては勿体ないからな」
スルーされた。多分伝わってなかった。まあうん全然悲しくなんてない。
そこに座れ、と千鶴とは反対側の隣を目線で指した。
…良いんですか？良いんですか？座りますよ？
「では、失礼します」
そう言って座ると、仁さんは満足そうに頷いた。これは仮定なのだが、彼はめちゃくちゃ尊いと思う。
千鶴は少しだけむすっとして、空になっていた仁さんのお茶を注いだ。
…先程までの優しい手当とは反対の態度で、なんだかおかしくて微笑んだ。
そして急須からお茶が無くなったらしく、取りに行ってしまった。
…さて、私もそろそろ目の前の幸にありつこうかな。
ワクワクしながら食事に手をつけようとしたら、ふと、仁さんがじっと私を見ていることに気付いた。
「…仁さん…？」
恐る恐る名前を呼ぶと、ゆっくりと口を開いた。
「…首元が、虫に喰われているな」
「え？首……」
慌てて首を触るが、痒いところは無い。
そう言えば巳影にも同じ事を言われた気がする。
「か、痒いところは無いので、多分大丈夫だと」
何なのだろうか。新種の虫とかだったら嫌だな。
仁さんは少し黙って、そのまま私を見つめた。
そして、なるほどな、と言って目を閉じて重々しく息を吐いた。
そして薄っすらと目を開き、また私を見つめた。
「……どうやら、東雲には厄介な虫がいるようだな。」
「し、新種の虫とかですかね…」
「……フフ、どうだろうな」
仁さんは竜王コーポレーションで殺虫を１つの大きなプロジェクトに取り込んでいるほど虫嫌いを拗らせている。
…なので、虫にも詳しい。
仁さんが知らないという事はやはりなにかヤバイやつなのではなかろうか。
ゆっくりと首をさすりながらため息をつき、食事に手を伸ばした。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
