自重せよ ページ20
HRが終わり、私は思い切りため息をついた。
「A、ため息をついていたら幸せが逃げちゃうよ」
「ヤナギ」
ぎこちない言い方だなぁと微笑んだのは花房柳だ。
私の隣の席____……雛次君の席に腰掛けた。
にゅっ、と無意識に眉をひそめた。
前述した気がするが、私は花房柳(湊も)が凄くなんかこう…苦手だ。苦手というよりは恨めしいというか……なんというか
「Aの、面倒なとき眉をひそめる癖、可愛いよね」
「…」
こうゆうところだ。甘い台詞と顔で全てを補える彼のような人間ステータス的に不平等極まりないタイプ、
まあ言ってしまうと、ぶっちゃけ特進全員顔がめちゃくちゃ良いが、女の子を侍らすような奴が特に嫌なのだ。 理由はかなりしょぼくさいので大して話すことでもないが。
「…その怪我は？」
あっ、話題を作ってしまった。
柳の左腕の袖から包帯が見えているのが気になってしまったのだ。
「ふふ、Aから話を振ってもらえるなんて嬉しいなぁ」
にこにこ笑いながら昨日の夜にガチガチの薙刀を持ったすいーてぃーさんという方に襲われた話をし始める柳。
大して相槌を打つわけでもなくぼんやり聞いていると、急に背後になにか、悪寒が走った。
「……ゥ……やなぎくん……」
地の底から這い出てきたような声の主は勿論幽だ。
いや、地の底から這い出てきたしぼりたての布をカサカサに乾燥させて六年放置した声…という方が合っているな。何がだよ。
「ひ……」
ぶっちゃけちびりそうな程怖い。
振り向かずにいたが思わず悲鳴が漏れてしまった。
柳の話がストップする。
「A？」
「……………なんですか？それでそのスイートお茶さんは警察に捕まったんですか？」
必死に誤魔化そうとしたら話を聞いていた巳影と千鶴が噴き出した。気にしない
柳は、首を動かさずに眼のみ私から視線を外し、おそらく幽を見つめた。
そして数秒後何事もなかったかのようにクスッと笑った。
「フフ、スイーティーの事かな？そうだね、彼女は…」
今度は相対を打ちながら話を聞いた。
相も変わらず壮絶な修羅場の話だったが、さっきよりも頭に入らなかった。
スィーティーさんが銃刀法違反その他諸々で捕まったのは覚えている。
チャイムが鳴り、数学の為に桐谷先生が入ってきた。気だるげに「お前ら席つけよ〜俺の給料減んだろ〜〜」と言って教壇に向かう。
チラリと幽の方を見て、祈る気持ちで長めの瞬きをした。不憫な人だと改めて感じた。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
