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食堂に着いたら案の定閉まっていたが、由仁君が大声で「おなかすいた！」と叫ぶと、いつものシェフさんが微笑みながら出てきて開けてくれた。
笑顔の由仁君に手を引かれながらバイキングを周る。
「ねえA、これはなぁに？」
鍋に入ったお味噌汁の香りを嗅ぎ、不思議そうに訪ねてきた。
「これはお味噌汁と言います」
「…オミソシル……ズッパみたいなもの？」
お互い知らない言葉を知らない言葉で説明し合う予兆だ。マズイ。なんだそれは。
「……ズッパ」
「ぱんを付けて食べたりする汁なの！」
「なるほど、パンを付けないタイプの汁ですよ。」
「たべる！」
解決した。 そういえば由仁君は時雨の実家にいるんだった。イタリア語？私には何が何だか分からないがその辺の言葉を使うんだろう。
時雨はよくあんな綺麗な日本語を話せるな、と改めて感心した。
私達はご飯を取って席に座った。
「Aは少ないの……」
由仁君が私のプレートを見て切なそうな顔をした。
たしかに、基本的に食欲が無いので朝は軽くスムージーなどで済ませがちなのだ。
「オカネが無いなら僕が買ってあげるの。もっと食べないの？」
めちゃくちゃ可愛い顔をしてとんでもないスパダリ宣言をされた。
私は苦笑いしながら首を振り、これで足りますよと言った。
しばらく食べ進め、私のスムージーが底を尽きた。ジュゴッと音を立てたので少し行儀が悪かったか？と、由仁君を見たらお味噌汁をふーふーしていて特に見ていなかった。可愛い。
「由仁君、美味しいですか？」
「ジャポーネのズッパ、しょっぱくてスキなの！」
「それはよかった(?)」
膝をついて、揺れるたびにキラキラ煌めく由仁君をじっと見ていると、お味噌汁を飲み終えた彼と目が合った。
「…？ボク変なことした？」
「あ、いいえ。変な事はしてませんよ。」
微笑んで誤魔化してしまった。
不満そうに眉をひそめた由仁君。申し訳ない事をした。
…じっと見返される
「A…」
「……？」
ぎこちない微笑みを続けていると、由仁君がハッとした顔をして私の手に触れた。
「A、ボクのスポーザ…お嫁さんになって欲しいの！」
「フフッ」
え？今なんて？思わず笑ってしまった。
変化球すぎて本当に本当に予想だにしていなかった話の展開が起きた。いや今私由仁君を不機嫌にさせた話だと思っていた。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
