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帰りは、ちゃんとした車での送迎をしてもらった。
下山までは自分等の足で行なったが、山のふもとに映画でしか見た事が無いような立派な車が停まってるのを見た時は疲労感が飛んでいき、新兎君と顔を見合わせて思わず笑った。
どうでもいいが去年は凛太朗と同じような事をしたな
幽も湊も新兎君も千鶴も仁さんも、ぐっすり眠っている。
仁さんが寝てる事は、普通科からしてみると驚くべきだが、彼はいつどこででも仕事に手を付けなければならないほど忙しいため、眠れる時に眠るようにしているのだ。これが普通、可愛いけど普通。
窓にもたれて、やんわり明るい日光を顔に受けながら過ぎていく景色をぼんやり眺める。
…………昨日のライブで、黒寮は負けた。
凛太朗の不在に虎さんと時雨の登場の驚きが相まった結果だと思ったが、千鶴や仁さんの納得できないという表情に心が痛くなった。勝負事はだから嫌いだ。
皆寝ているので、遠慮なく大きなため息をついた。
「……るせーため息だな」
ら、ものすごく不機嫌そうな声が聞こえた。
車内に目線を戻すと、眠りこける新兎君の隣で獅子丸君が鬱陶しそうにこちらを見て居た。
「！……獅子丸君。すみません。音楽を聴いているんだと思っていました」
よく考えたらめちゃくちゃ普通に後輩だが、高圧的な態度からなんとなくへりくだってしまった。
「丁度曲と曲の間だったんだよ。クソテンション下がるから辛気臭ぇマネやめろ」
獅子丸君もため息をつき、片方浮かしていたヘッドホンをつけ直した。
すこし携帯をいじったと思うと、また音楽を聴き始めた。
なんだか勝ち逃げされたみたいで、腑に落ちない気分だ。
後輩の方が強気で私はやっていけるのか？などと考えていると、獅子丸君がまた口を開いた。
「……俺は黒寮のが上だと思ったわ。ゆめシステムは吐き気がするからクソ要らねーけど、あのライブはロックでエモかった」
「え、」
「だから、一般生徒が雑魚なだけだろ。見る目ない奴は評価するに値しねー」
それだけ言って、獅子丸君はまた口を閉じた。
私がため息をついた理由をなんとなく察してくれ、慰めてくれた。彼なりの気遣いだ。
そう言えば彼は探偵だったっけ。洞察力ありすぎて驚いたけど、とても、とっても、なんだか嬉しかった。
ありがとう、と呟いたが、きっと聞こえてないだろう。
ちょっとだけ彼の口元が綻んだのは、多分気のせいだ。
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クウ(プロフ) - 初めまして。続き楽しみです。 (2020年7月25日 17時) (
レス) id: e1d577414c (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - るーさん» 返信が遅れてすみません。ありがとうございます！短編集の件ですが、なかなか更新できていなくて、もう何話か書いてから公開しようと思っております。それまでお待ちいただけると嬉しいです！！ (2019年9月3日 7時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
るー - 夢主ちゃんがすごくタイプで好きな感じです。ストーリーも面白いです！これからも応援してます！もしよければ短編集の方のパスワードを教えてもらってもいいですか？ (2019年7月30日 23時) (レス) id: e7803b918a (このIDを非表示/違反報告)
ハト(プロフ) - レス返せてなくてすみません！どの激励のお言葉も嬉しく読ませていただいています！！二期始まる前に完結させれるように頑張ります……！！ (2019年7月26日 16時) (レス) id: 28b0102360 (このIDを非表示/違反報告)
hermes753(プロフ) - 初めまして!めっちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました。更新待ってます!!! (2019年6月18日 0時) (レス) id: 8867b9a324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハト | 作成日時：2018年11月29日 11時
