【ドラゴンボール】夜の愛し仔と人造人間【魔法使いの嫁】

第２話　人造人間 ページ2

あれは、ちょうど半年前。
両親が事故で亡くなった。
親戚は皆、私を厄介者と思っていた。
無理も無い。

私には、見えないものが見えてしまうのだから。

「さて、そろそろ出発するか」

男に抱き上げられたまま、私は部屋を出た。
おかしい。盗賊たちがいない…。
部屋の外には、盗賊の武器が散乱していて、争った形跡があった。

「あぁ、アイツらなら、私の腹の中さ」

男は、しれっとした顔で呟いた。

「レディーに乱暴するような野蛮な人間は、吸収するのに限る」

言ってる意味が分からなかったが、盗賊たちは殺されたのだろう。
この、怪しい男に。

「そんな事はどうでもいい。まずは、私たちの家に帰るとしよう」

すると、男は額に指を2本当てた。

「目が眩むと思うから、閉じておけ」

私は言われるがままに、目を閉じた。
その直後、眩い光が一瞬弾けた気がした。
でもそれは本当に一瞬の事で、後は涼しい風が肌に触れた。

「もういいぞ、目を開けても」

私は恐る恐る、目を開けた。
そこは、さっきのアジトじゃなかった。
緑に囲まれた、茨がつたう屋敷が見えた。

「ここが私の家…そして今日から、お前の家でもある」

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