体温 ピオ ページ21
「A、おいで〜」
テレビの前に座る彼が両手を広げて私を呼ぶ。
「ちょっと待って、まだ課題終わってないの」
テーブルの上のパソコンをカタカタと操作しながら謝ると、うぇ〜!と子供のよう声を上げるジフン。彼のほうが年上なのに。
もうちょっとだから、と言おうとした瞬間、後ろから彼が抱き着いてきた。
パソコンの液晶越しに、唇を尖らせる彼の顔が見える。可愛くて少し笑ってしまった。
ジフンは私にくっついていないと落ち着かないらしい。
体温が心地よいとよく言われるけれど…平均くらいの温度だと思う。
「A早く終わらせて」
「うん、分かったから腕ほどいて」
「やーだ」
断固として腕を話さない彼に観念して、まあ明後日提出だし…とUSBを取り外した。
「終わり?」
「うん」
頷くと嬉しそうに笑って、私の腕を引っ張てベッドへと引きずる。
「ジフナ?」
「寝て寝て」
ゴロンと私を壁側へ押しやって、ベッドを軋ませながらジフンも寝転がる。
私の頭の下に腕を引いて(痛くなるからやらなくていいって言ってるのにやってくれる)、腕枕をすると腰にも腕を巻き付ける。足もからめることを忘れずに。
大きな体に包まれると安心したのか瞼が降りてくる。
それは彼も同じなのか、瞬きの回数が増えている。
「おやすみ」と呟くと、彼は目を見開かせた。
「まだ」
「え?」
横にしていた体を起こしたジフンは私のからだに覆いかぶさる。
まさか、と思い彼を見るとにやにや笑っている。
「いや、あの、ジフナ」
「ん?」
「ん?じゃなくて…!」
しないしない、とTシャツの裾に手を滑らせる彼の手を掴むと、むうっと頬を膨らませる。
「いやだ」ともう一度食い下がると、「またまた〜」と二ヤつきながら私の頬を突く。
「いや、本当に、だめ!」
「すぐ終わるからね〜」
「こういうときだけ大人ぶるのやめて」
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日向(プロフ) - 地球外生命体かと疑うレベルに可愛いテイルは、癒しですね。なんと、私めの作品も閲覧して頂けるなんて…。これ程嬉しい事はありません。BTSのお話のみですが、覗いて頂けると幸いです>_<、 レスありがとうございました。次話も楽しみにしています。 (2016年12月2日 0時) (レス) id: 50a7649c25 (このIDを非表示/違反報告)
ジヨン(プロフ) - 日向さん» 神作だなんてとっても勿体無いお言葉です ( i i )まばらな更新で申し訳ないのですが、応援していただきありがとうございます!テイルくんかわいくてかっこいいし罪な男です…感想嬉しいです、ありがとうございます。(日向さんのお話も拝見させていただきますね…!) (2016年12月1日 19時) (レス) id: 32c1f5cb48 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 私も作品を作らせて頂いている身ですが、この様な引き込まれるお話は到底作れません…。長々と失礼致しました。これからも頑張って下さい:^) (2016年11月30日 17時) (レス) id: 50a7649c25 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - あまり見かけないブロビの作品の中で、よもやこの様な神作があるとは…。率直に言ってしまうと、好きです。語彙力の無い感想になってしまいますが、本当に好きです。特に作者様の作るテイルのお話、もう大好きです。 (2016年11月30日 17時) (レス) id: 50a7649c25 (このIDを非表示/違反報告)
ジヨン(プロフ) - らんさん» はじめまして!ありがとうございます〜!約1ヶ月放置してしまい申し訳ないです。これからも地道に頑張ります。 (2016年8月29日 16時) (レス) id: 57adad48cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジヨン | 作成日時:2016年3月29日 22時