向日葵みたいな君8

323.夢ではない ページ37

スマホの音で目が覚める







ん………もう朝……か……







目をこじ開けて壁の時計を見ると

短い針が真っ直ぐ7を指している






あぁ…
アラーム昨日のままになっとる

あと1時間は寝れたのに







ギリギリまで寝ようと
うるさいスマホに手を伸ばすと

触れる前に静かになった






ついでにアラームセットしなおすかと

そのまま掴んで画面を見ると






緑のメッセージアイコンの横に書かれた
赤い丸の中の『20』を見て目が覚めた







慌ててアプリを開くと

お店のクーポンやら
共演者さんからの挨拶メッセージやら




他愛もないものばかり




気が抜けてぼんやりしながら
上から1つ1つ確認していく






下に1つ分スクロールすると


お兄さんからの個人メッセージが3件


特に深く考えずに開いた







・







いつもと同じエレベーターに乗り

いつもと違う階で降りる






俺を待っていたお兄さんが
腫らした目をして
微笑みながら軽く手を上げた






頭を下げて
挨拶以外の会話をすることもなく
お兄さんの背中を追う






いつもとは違う部屋のドアを開ける






お兄さんのやり方を真似ながら

丁寧に手を洗って消毒

更に備え付けの帽子と
ガウンを着ないと入る事も出来ない

広くて妙に明るい部屋には







たくさんの機器とベッドが並んでいる







一番奥に置かれたそのベッドに

見慣れた名前のプレートが下がる







ベッドを取り囲むように置かれた
様々な機器やモニターは




体のあちこちから出る
コードやチューブに繋がっている




そこには常に
グラフと音で状態が表示されている







口には1cm程の太さの
チューブが差し込まれていて

更に太いチューブに繋がれている







何故か手が拘束具でベッドに繋がれ

その下からもチューブが出てる






目の前の光景が

夢なんかやないって






信じなアカンのに

頭がついてこない










・

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