向日葵みたいな君8

321.黄色side ページ35

子供を膝に乗せてる照史を見て

何を思ったんかな





照史が気が付く程に
寂しさが表情に出たみたいやし





いや…友達の子供とかとも
よぉ一緒に遊んでた言うてたし

それほど特別な景色ではないんかもな





でも…

「俺の子？」は余計やな





「居ないよ」って言うん
しんどかったやろな






写真と同じシルバーが巻かれた
ぬいぐるみを渡して





…頑張ったなホンマに





目の前で
後悔しつつも
嬉しそうに笑う照史が
全ての答えやろ






大丈夫
何も間違ってない





また間違ってないかって
1人で布団にくるまって
泣いてるんちゃうかって

ずっとずっと気になってる






はよ会いに行きたい






「せや！俺、ええもん見つけてん」





唐突にパソコンを開いた流星

嬉しそうにニコニコしながら
手招きをする





画面が見える位置に移動すると

反対側に座った照史を見て





「昔の姉ちゃん」とニヤニヤしてから再生をした





・





薄暗い店内に派手な照明

爆音が響くそこは多分
どこかのクラブ





スマホで撮影されたその映像

そこそこ人がいるフロアーの抜け
壁際についてインカメラにすると

そこには





髪が長くて
白いTシャツを着たAが
酔っ払った顔してニコニコ笑っていた





いつもと違う強いメイクにカラコン

明らかに夜モード





そんな彼女に
ブロンド美女が飛びついて
頬にキスをした





「これ…いつ…？」





困惑した照史の声に





「照史と付き合い初めて1年目のどっか
　クラブで会うた事ある言うたやろ？」





明るく答える流星





「友達と飲みに行くって言ってた中の
　何回かはクラブやな

　ほんまに飲みに行ってるだけやから
　嘘付いてたとか言いなや？」





Aの周りには
友達らしきパリピな外国人が来て
楽しそうに話している




相変わらず英語上手いな




隣に立つ流星を
「彼氏〜〜？！」って誂われて

「違うよ！可愛い弟！」って返してる





流星は言葉なんて無視して
一緒に騒いでる





「姉ちゃんの友達、全員外国人やったから
　俺の事なんて誰も知らんねん！」

「なるほどな」





画面を見てピースした姿が
なんだかとても懐かしくて

泣きそうになった





「照史に、クラブ行くって
　言わなかった理由わかるか？」

「………わからん」

「興味無さそうだし、
　むしろ嫌いそうだからってさ」




また照史が不貞腐れた顔をしたw

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