向日葵みたいな君8

310. ページ24

「やっぱり見つからないなぁ」





車椅子で行ける範疇を
ぐるぐると回ってくれたけど
やっぱり見つからない

途中で雨が降ってきて
捜索終了





「海が見れたから十分だよ
　ずっと病室だったから
　久しぶりに外に出れて楽しかった

　お兄ちゃん、ありがと」






数時間だけ外出許可が出た

点滴が終わったタイミングで
先生のチェックが入って

少しならって事でOKになった




結局見つからなくて
冬の寒い海を眺めて帰路につく

外に出るって楽しいな

このまま帰りたくないけど
仕方ない





「…………なぁ」

「ん？」

「元カレに連れてきて貰ったんだろ？
　頼んだらいいじゃん

　会いに来てくれたんだろ？」






まぁバレるよね






「覚えてなかったら…なんか寂しいじゃん笑
　もう…3年くらい前だもん

　1回だけ、しかも深夜にフラッと来たの
　そんな風に行った場所
　お兄ちゃんなら覚えてる？」

「………状況によるけど
　覚えてない可能性が高い」

「ほーら笑
　だから、自分で探したかったの

　同じような場所には来てるから十分だよ」






納得行かないって顔してるお兄ちゃんに
「淳太君とかには言わないでね！気にするから」
って口止め





「はいはい笑」って笑いながら
病院のある右に曲がると思ったのに
左に曲がった





パッと視線を向けた私に
「クレープ食いに行くか！
　せっかく外出許可出たんだから
　目一杯遊ぶぞ！」ってニヤッと笑った

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