向日葵みたいな君8

307.黄色side ページ21

流星から長文メッセージが届いているのに気付いたのは

日付が変わる頃に
ようやく戻れた自宅のベッド





朝からずっと
初めましての人達とのロケやったから
気ぃ張りすぎてヘトヘト





挙げ句
酒まで飲まされそうになって

マネージャーに頼んで
急いで帰りの新幹線を取ってもらった





最終やったらしい
危な





ホンマは翌朝帰宅予定やったけど

共演者も居るホテルやから
絶対寝かせてくれへん





無理無理
勘弁して





疲れ果てた帰りの新幹線は
座った瞬間に爆睡

心配したマネージャーが
家まで送ってくれた





玄関からそのまま風呂に向かい

一瞬で上がり

髪もスキンケアも適当に済ませて
玄関へ戻る





放置しているスーツケース

その上に置いてある鞄から
スマホと水を取り出す





寝室へ向かいながら通知を確認





流星からの個人メッセージを開くと

画面の半分を占める程の長文





珍しいなと思いつつ
疲れと眠気で文字を追えない

その中に見えた
「姉ちゃん」
「照史」
の文字





力入れてないと
勝手に閉じていくまぶたをこじ開けて
必死に文字を追う





『姉ちゃんと照史、ちゃんと話せたらしい』





その1文だけで
ものすごく安心した





『伝えたい事も、して欲しい事も
　言えたみたいや』





恥ずかしそうに
嬉しそうに笑う顔が浮かぶ





よかったな、A

大丈夫や
なんにも間違ってない





続く文字を追いたいけど
安心したことで更に閉じていくまぶたに
抗う事は出来なかった





・





翌日、目が覚めたのは10時

今日は午後からやから
ゆっくり寝られて良かった





って、ほぼ気絶やけど





そのままベッドの上で通知を確認

昨日色々スルーしたやつを
一通り確認した所で





『おはよー！今から激ウマランチ食うねん！
　今度一緒に行こな！』

と3人のグループに
ニコニコ笑顔の写真付きで流星からのメッセージ





あいつ、仕事のブログも
このくらいコンスタントに更新せぇよw





…あ、昨日の





流星からの長文メッセージ
まだ最後まで読んでない事を思い出して

個人メッセージを開く




…………なるほどな


自分から沙耶ちゃんの名前を出したんか


「本当に好き？」なんて
どんな気持ちで聞いたんや


背中に縋り付いて
それでも手を離して





頑張ったな

うん、よぉ頑張った




ハグしてキスして貰えたんか





よかった

アイツが少しでも嬉しい事があって
2人がちゃんと話せて
ホンマによかった

308.→←306.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す