295.伝わらない ページ9
「ギュってしてって
今度お願いしようと思ってたのに
もう叶っちゃった
へへへ」
腕の中で嬉しそうに呟く愛しい声
キュッと俺の背中に回る細い腕
少し遠慮がちではあれど
甘えるように擦り寄せられた頬
あぁ…ホンマにAや
心が納得してる
目を瞑っていても
どう抱きしめたら
彼女が顔をどこに向けるか
ほんの少しの仕草で判断して
自然に腕が動く
「本当に…照史だ…んふふふ」
同じ事を考えてる事が嬉しくて
彼女の弾んだ声が嬉しくて
更に強く抱きしめる
やっと会えた
やっと見つけた
ずっと感じてた「5cmの隙間」
それがようやく無くなった
あの頃とは違う
ひと回り小さく感じる薄く細い体が
壊れないように
優しく深く抱きしめる
その時
肩をポンと叩かれ
病室のドアがバタンと閉まる音と共に
聞き慣れた足音が病室から遠ざかっていった
流星……サンキュ
足音が聞こえなくなったタイミングで
小さな声に呼ばれた
「ねぇ、照史」
あの頃と同じ
優しく愛しい声が耳元で聞こえる
「ん？」
「幸せになってね
今より、もっともっと
もーーーっと幸せになってね」
俺の背中を優しく撫でながら
俺の幸せを心から願う
何も変わらない彼女の言葉に
あふれる涙は止まらない
それでも必死に笑って
言葉を続けた
「何度も何度も…ｯ…言うてるのに
ホンマに伝わらへんなぁ〜w」
「ん？」
目を開けると
抱きしめる彼女の髪が
視界に入った
さっきまで流星が座っていた椅子には
もう誰もいない
「Aが居るだけで
隣で笑ってくれるだけで…ｯ
世界一幸せやって何度も言うたやろ？w
やから…今…俺…めっちゃ幸せ
Aが腕の中に居るか…らｯ」
Aは慌てて俺と目を合わせると
心底驚いた表情をして
「まだそんな風に…思ってくれるの？」
なんて呟いた
「当たり前…やんけ」
俺の気持ちはずっと変わらない
ずっと
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向日葵(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます！気がついたら残りが少なくて焦ってます汗あと10話程度に詰め込むか…続編にしてダラダラ書くか…縮めるような文才が無いのは致命的です笑のんびりお待ち下さいませ😊 (5月26日 9時) (
レス) @page37 id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - お忙しい中更新ありがとうございます。本当に嬉しいです。今後の展開を想像するとギュッと胸が苦しくなりますが、最後まで皆の想いを見届けます！私も一気に読みたい気持ちと少しずつ読みたい気持ちがグルグル(笑)いい子にして更新をお待ちしててますね (5月26日 7時) (レス) @page37 id: 146cf31383 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 凛さん» いつも優しいコメントありがとうございます(´；ω；｀)書きたかったシーンの１つでした。パスはスグに開放すると思うので、前作の２人がいちゃいちゃしてた辺りを読み返してください😊※私も読み返してます (2023年5月9日 12時) (レス) id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 今日も今日とて切な苦しいですね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ。素敵なお話共有してもらえて本当に有難い限りです。いつもありがとうございます。パス解除早くても早くなくても前作読み返したりしながらお待ちしていますね (2023年5月9日 3時) (レス) @page13 id: 4ef99da948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵 | 作成日時：2023年5月6日 19時
