300.私が悪い ページ14
「どうして謝るの？」
「…え？」
「照史は何も気にしなくていい
何も悪くないって言ったでしょ？
謝る必要なんて何一つない」
そのまっすぐな目に
俺は気圧されそうになる
「いや、あれは…「私が悪いんだよ」
俺に何も言わせないかのように
言葉を被せる
「私が、間違えた
私が、照史を、傷付けた
ずっと、ずっと間違えてた
怒られて当然の事をしたのは私」
「A、それは違…」
「違わない
何も違わないよ
照史が怒るのは当たり前
それに」
真剣な表情から
寂しげに口角を上げ
掴んでいた両手をスルリと解いた
「指輪が目の前から無くなって
半分になった写真を見て
もう2度と元には戻れないんだって
目の当たりにして
照史から離れる決心がついたの」
膝の上に置いた
彼女の両手のひらに視線を落として
静かに
静かに
言葉を続ける
「どうしたら
この手を離せるんだろうって
ずっと考えていたから
病気の事を言わないまま
どうやって離れようって
離し難いこの手を…
どうすればいいのかなって」
彼女の手が小さく震えている
「残ってたらきっと私は
照史から離れられずに居た
ちゃんと怒ってくれて
目の前から心残りを消してくれたから
全部が思い出になった」
顔を上げ
笑顔を俺に向けた
「結局…バレちゃったから
意味ないんだけどね？」
何をどう考えても
俺が悪いのに
Aの言葉を聞いていると
気持ちが軽くなるのが分かる
同時に
彼女の心の深さと比例する傷の深さ
そして優しさに
自分のしょうもなさに
嫌気が刺す
つまり
俺が指輪を捨てんかったら
写真を破かなかったら
彼女が姿を消す事は
無かったかもしれない
いや
違うか
もう分からなすぎて
言葉が出てこんのよ
ただ分かるのは
目の前で微笑む彼女は
今も昔も
俺を思ってくれてるって事
淳太君も流星も言ってた
Aは
ずっと俺を、俺たちを守ってる
何も変わっていない
「ねぇ照史」
「ん？」
「………もっかい、ギュッてして」
なんでもええ
彼女の願いを叶えたい
両手を広げる彼女を
そっと抱きしめる
「んふふふふ」
「嬉しい？w」
「うん。すっっごい嬉しい❤」
「あはは！ホンマに可愛いなぁ！」
嬉しそうに笑いながら
顔を擦り寄せるから
可愛くて俺も笑って
深く抱きしめた
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向日葵(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます！気がついたら残りが少なくて焦ってます汗あと10話程度に詰め込むか…続編にしてダラダラ書くか…縮めるような文才が無いのは致命的です笑のんびりお待ち下さいませ😊 (5月26日 9時) (
レス) @page37 id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - お忙しい中更新ありがとうございます。本当に嬉しいです。今後の展開を想像するとギュッと胸が苦しくなりますが、最後まで皆の想いを見届けます！私も一気に読みたい気持ちと少しずつ読みたい気持ちがグルグル(笑)いい子にして更新をお待ちしててますね (5月26日 7時) (レス) @page37 id: 146cf31383 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 凛さん» いつも優しいコメントありがとうございます(´；ω；｀)書きたかったシーンの１つでした。パスはスグに開放すると思うので、前作の２人がいちゃいちゃしてた辺りを読み返してください😊※私も読み返してます (2023年5月9日 12時) (レス) id: 06dabafe54 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 今日も今日とて切な苦しいですね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ。素敵なお話共有してもらえて本当に有難い限りです。いつもありがとうございます。パス解除早くても早くなくても前作読み返したりしながらお待ちしていますね (2023年5月9日 3時) (レス) @page13 id: 4ef99da948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵 | 作成日時：2023年5月6日 19時
