fickle 54 ページ5
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Aside
A「………行く。」
キミと一緒にいたい。
ふたりきりの場所に行きたい。
神宮寺くんの綺麗な左手を握った。
神宮寺くんは彼自身の前髪を
さっと右手で払って
コホン、とひとつ咳払いすると、
神宮寺「…じゃ、これ被って。」
そっと手を離して着ていたブレザーを脱ぎ、
私が濡れないようにと頭にのせてくれる。
それから、今度は神宮寺くんから
ぎゅっと手を握ってくれ、
心地よい安心感で満たされる。
神宮寺「…行こっか!」
そう言って走り出すキミ。
前はほとんど見えないけれど、
しっかり手と手が繋がっているから、恐くない。
____神宮寺くんの家に着いたころには
雨で濡れたブレザーはぐっしょりと重かった。
はっとして神宮寺くんを見ると、
頭から足までぐしょぐしょに濡れている。
A「…あっ………ご、ごめ___」
神宮寺「あーっ!俺、スケスケじゃんw」
私の声に被せるようにして
おどけたように言う彼は確かに、
シャツが肌にぴったりくっついていて。
ずぶ濡れな彼は、
ふいに私をじぃっと見つめると、
神宮寺「どう?セクシー?」
A「……………えっ!?」
真顔でとんでもないことを聞いてくる。
あたふたしていると、
神宮寺「ハハハハハッ!
Aちゃん、顔まっかっか!w」
そう言って手を叩いて笑う彼。
真面目にどう答えようか考えていたのが
恥ずかしくなって手で顔を覆う。
神宮寺「なんだよ!隠すなよw」
神宮寺くんの手がこちらに伸びてくる。
A「もー、やめて!」
笑われたせいできっと
さっきよりもずっと真っ赤であろう私の顔。
しかし両手を掴まれ、
後は俯くことと、
口で対抗することしかできない。
A「…………………ばか……。」
神宮寺くんが黙りこんでしまったので、
怒らせちゃった?と思って顔を上げると
神宮寺「もうほんと………可愛い」
びしょ濡れのまま、キスされる。
雨に濡れて冷えた筈なのに
神宮寺くんの唇は、
______燃えるように熱かった。
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963 - 感動めっちゃしました (2014年11月5日 22時) (レス) id: 0bc5063e23 (このIDを非表示/違反報告)
みか - 泣いちゃいました。。。 (2014年8月19日 21時) (レス) id: ff5bfb8f9c (このIDを非表示/違反報告)
颯 - この作品すごく良かったです!感動してすごい泣いちゃいました!これからも頑張ってください!応援してます!! (2013年12月24日 1時) (レス) id: e257fb6ac2 (このIDを非表示/違反報告)
颯 - この作品すごく良かったです!感動してすごい泣いちゃいました!これからも頑張ってください!応援してます!! (2013年12月24日 1時) (レス) id: e257fb6ac2 (このIDを非表示/違反報告)
颯 - この作品すごく良かったです!感動してすごい泣いちゃいました!これからも頑張ってください!応援してます!! (2013年12月24日 1時) (レス) id: e257fb6ac2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優奈&りぃ太 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shigeokadaiki/
作成日時:2013年6月14日 17時