【∞】腐の塊【鯨人】 (ページ39)

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「起きろ」
「んー…博は…」
「長野はトイレ。今日は三人で仕事なんだから、誰も構ってくれなくて俺寂しいんだけど」
「ふふふ…いま、おきる…」
「起きてねぇじゃねぇか」

そっと頭の上に違和感を覚える。…坂本くんの…手？……懐かしいなぁ。ポカポカする。

また眠気に襲われていると、

「…岡田」

聞こえるか、聞こえないかくらいの小さな声。でも確かに坂本くんの声で俺を呼んだ。

なぁに、と口を動かそうとすると、唇に柔らかい感触。…そこで一気に目が覚めた。

「…っ！」
「……起きねえし、」

俺の前であんま無防備にしてると、襲うぞ。
ふっと笑い、また頭を撫でた。

「さ、かもとくん、俺、」
「…ん？」

まだ、夢のなかにいるみたいに体がポカポカして、胸がドキドキして、心がキュンキュンする。

伝えてもいいのかな。この想い。伝えたら迷惑しないかな。でも、今伝えたい。それに今伝えないでいつ伝えるんや、俺！

「俺な、坂本くん」
「うん」
「……ずっと、好きな人、おって、」
「…うん」
「その人がおると、ポカポカして、暖かいねん」
「そうか。いいことじゃん」
「うん。やから、気持ち伝えようと思って」
「……」
「…坂本くん、」
「岡田」

急に遮られてびっくりした。

「え、どうしたん？」
「…」
「坂本くん？」
「……」

黙りこられちゃってどうしたらいいのか分からない。

「…なよ」

なにか音を発した坂本くんの顔を覗きこむと、今まであまり見たことのない、哀しいような、怒ってるような、そんな顔をしていた。

「…え…、なに…？」
「……だから、俺以外、のところに行くんじゃ…ねぇよ。お前は、岡田は、俺の隣で笑ってればいいんだよ！！そんなどこの馬の骨とも知らねえやつんとこなんか行くんじゃねぇ！……好きだ、…好きなんだよ岡田」

聞いてるこっちが恥ずかしいくらいの台詞をよくもまぁ淡々と…。……って、あれ、俺今…。

「告白されたの？」
「…今の状況でそんなこと聞くんじゃねえよそうだよばか」

まだ真っ赤になってぶつぶつうるさい坂本くん。

「…へへ…ふ、ふふは」
「んだよ…」
「…俺も、好きやで」
「…は、」
「やーかーら。さっきの好きな人は、坂本くんやの。アンダースタン？」
「オーイエス…まじか」
「うん」
「…そしたら俺すっげえ恥ずいやつじゃん」
「大丈夫。その他もろもろ恥ずかしかったから」
「え？」
「ん？」

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