【∞】腐の塊【鯨人】 (ページ11)

今日:25 hit、昨日:9 hit、合計:111,342 hit

黒青ページ11

黒side

『もしもし』

耳元で愛しい人の声が聞こえる。

「もしもし…やす？」

『ふふふ。そっちから掛けてんのになんで疑問系なんよ』

「…おん、せやな」

心が沈んでいるやすを助けて、恋人になった。
…いや、言い方を変えれば
心が沈んでいる所をつけこんだ。

と言えばいいのか。

『で、どうしたん？急に』

明らかにさっきまで泣いてただろう声。

それに気付かないフリをする俺。

「んー。何しとるんかなって」

『あはっ。横ちょ、そんなに女々しかった？』

「あほか！女々しいのは…」

女々しいのは、そっちでしょう？

「……女々しいのは、女神様や」

そんなこと言えるはずもなく、
なにそれー、と電話越しに高い声を聞くだけだった。

でも、そうやろう？

いつも、悲しそうな目をして、
いつも、遠くを見ていて、
いつも、何かを求めてる。

俺が近くにおるのに悲しいの？
俺が近くにおるのにどこを見てんの？
俺に何が足りない？

結局こうやって考えてる、俺も、女々しいじゃないか。

あぁ、ほら。

『「愛してる」』

重なった声は、いつまで経っても重ならない。

End.

重なる声と、重ならない想い。

やすはよこと付き合いながらも他の誰かを想っていて、よこはそれに気付きながら離すことができない。つまり、二人とも女々しい。

久しぶりの更新が悲恋ですいませんw