【∞】腐の塊【鯨人】 (ページ8)

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橙赤【続き】ページ8

橙side

黒「……すばる、事情は何となく分かったけど、丸と話したいことがあるからヒナんとこ行ってき？」

赤「え、あ…おん…」

裕ちんは、怒鳴ることも殴ることもなかった。

大人しく出ていくすばるくんの背中をドアが閉まるまで見つめていた。

黒「…で、どういうことや」

橙「……すばるくんを、僕にください」

顔が、見れない。

情けない情けない情けない。なんとも情けない。
ただ、おでこを床に擦り付けるしかなかった。

黒「…丸。怒らへんから顔上げろ」

橙「…っ」

黒「まぁる。怒ってないから」

優しく諭され、ゆっくりと顔をあげる。

それでも顔は見れない。ほんとに情けない。

黒「あのな。お前らの気持ちに反対はせぇへん。俺とヒナやってせやから。やけど、」

橙「…っぃあ…！？」

急に声が低くなったと思えば、これまた急に顔を殴られた。
あれ、あれ。怒ってないって言うてなかったっけ。

橙「ゆ、うち…」

黒「お前らがうまくいかんくて、どっちが振っても振らんくても、傷付くんは丸ちゃうぞ。……すばるやからな」

橙「……っ」

分かってる。…分かってるよ。
付き合ってくれるようになるくらい、俺に心開いてくれてるのんも。
背負いきれへんくらいの負担を、すばるくんは背負おうとしてんのも。
知ってる。やからこそ。

黒「…痛かったか？ごめんな。
けどな、すばるが傷付くときは、こんなもんやないから。
勿論、丸は傷付かへんなんて思ってない。
それなりに、痛みがあると思う。」

橙「裕ちん…」

黒「……すばる泣かしたら、ほんまに、お前の人生めちゃくちゃにしたるからな。…今まで、どんだけ俺らがすばるのこと、大切に守ってきたか…っ」

大丈夫、裕ちん。
俺、大切に守ってきたことも、見てきたから分かるよ。

大切な人を守るのに、理由なんていらない。

黒「なんで…っお前やねん。メンバーやなかったら、もっと、別れたとき辛くならへんやろうのに…」

今まで、すばるくんを守ってきてくれてありがとう。

次は、俺がその役引き受けるから。

やから、泣かんといて、裕ちん。

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