梶さんには好かれていないようです (ページ2)

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✐某アフレコ現場

『おはようございまーす……』

憂鬱だ。

しかし、声優という仕事は好きだ
小さい頃からの夢だった。

目指したきっかけは小3の頃に見てたアニメの影響を受けたから…

実際に目指し始めたのは高校からだけど

でもある人に私は好かれてないみたいです

何かしたならしょうがないって自分に言い聞かせてみるけど。

やっぱり…

梶「うわっ、来たよ……」

　「下野さん逃げよ」

……逃げられましたよ、私。
現場に一歩入って挨拶しただけですよ私。
何なんだ、あの人は本当に。

あの2人は
仲良しコンビしもかじ(と言われている)。
気が合うのか、いつでもどこでも二人セット。(多分)
私が嫌いなところは梶さんだけみたいだけど。

しもかじの「かじ」こと梶さんが、私から逃げる反動で
抱えていた台本を落とす。
……っ、拾いたくねー……

でも周りは「お前手伝えよ」って目で
私を見てくる。

あーはいはい、
でも手伝うと、逆効果なんですよこれが

梶「……っ、さわらないで」

「しかも近い、下野さん逃げるよ！」

下「ちょっ梶くん… Aちゃんごめんね？」

　「梶くん待ってぇぇ」

梶「分かったから速く！」

ほら。絶対に言うと思った。
理由は分からない

そそくさとどこかへ逃げていくしもかじ。

もう慣れたけれども
それでも心の中のストレスと傷は
毎日ちゃくちゃくと増えていく。

私、Aは、
先輩声優 "梶裕貴"さんから異常な程に嫌われてます。