物語の主役 ページ27
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土曜日。いつもよりも早めに仕事を済ました。時刻は13時半。
さっさとデスクフロアを後にして、エレベーターに乗り込み、ロビーに着いた。
エントランスに向かいながら、焦る気持ちを抑え切れずスマホを耳に当てた。
『…もしもし』
「俺。話がある」
『…俺も』
３コール目に、聞き慣れた声が返答した。
アイツの行動なんて容易く読める。
俺のいない間に話をつける気だろうと。そういうところ、アイツの悪いところ。
揺らがすわけにはいかない。唾をつけたくらいだ。
だけど俺の元にちゃんと帰ってくるか、不安があった。
家に帰る前に底知れぬ不安の可能性を潰す。二度手間になっては意味がないから。
「…え、お前」
会社を出て駐車場に向かおうと急いでエントランスを抜けたときだった。
スマホを耳に当てた俺と同じように、およそ５メートル先に見えた彼もまた俺と同じようにスマホを耳に当てていた。
『どうしても会って話したいことがあるから来た』
５メートル先にいると彼と目が合ったまま、電話越しに聞こえる声。
その言葉を聞いたあと、電話を切って目の前にいる彼との距離を縮めた。
相変わらず綺麗過ぎる顔をしている彼は目立つ。人の目を引く容姿だ。
そんな呑気なことを考えている暇はないのに。
「…どうも。俺の会社知ってたんだ」
何となく気まずいと思うのは、多分向こうも同じ。
友達であることには変わらない。彼とは“友達”としては良好な関係。
先週の日曜日以来。あのとき、多分初めて俺は潤くんに強く当たった。
あんな態度、見せたことは一度たりともなかった。
だけど俺は、俺自身のために潤くんの味方は出来ない。
「前に会社前で待ち合わせたことあったから」
「あー、そっか」
気まずい空気感の中でも、普通に会話が出来ているのは、彼とは高校からの長い付き合いだからだろう。
どうして友達になったかは忘れた。気付いたときには自然と一緒にいた。
何もかも正反対な俺たち。多分、どこも似ていない。だけど、どこか似ている。
だから自然と一緒にいたんだと思う。
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やっち(プロフ) - こんにちは。パスワード教えてほしいです (2021年10月24日 8時) (
レス) @page50 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - ともさん» 最後まで読んでくださりありがとうございました。お互い片想いしてたのですが、すれ違ってしまい、数年越しにやっと結ばれました！これから先は「結婚しよっか？」と彼は言い続けることでしょう(笑) (2019年10月29日 18時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。やっとここまで辿り着きました！お互いにずーっと片思い？すれ違ってやっと繋がれた。もぉー感動しかないです。｢結婚しよっか？｣の言葉に号泣。 (2019年10月26日 16時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - えりさん» コメントありがとうございます♪最初は本当にじれったすぎて、甘さは控えめでしたが、最後はもう甘さの加速が激しかったですね(笑)こちらこそ、長い間お付き合い頂きありがとうございました。 (2019年2月5日 23時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 完結ありがとうございます！ジレきゅん(^^)最初がジレジレだったので、最後のキュンのラストスパート最高でした！最初のジレが無かったんじゃないかと思うくらいの甘い終わり方、大好きです(^^)朝から幸せな時間ありがとうございます！ (2019年2月5日 8時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年10月9日 20時
