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「お疲れ〜」
「お疲れ」
「店はどこでもいい」とチエちゃんに任せれば、何故だかまたルミネの中にあるお店に足を運んだ。
土曜日に「こっちも気になる」と言っていたチエちゃんを思い出して一人で納得する。
アクアパッツァという洒落た食べ物を頼んだチエちゃん。私は無難にオムライス。
注文を終えて、店員さんがテーブルから離れたタイミングで「松本くんから連絡がきた」とチエちゃんは口を開いた。
「え？」
「Aはカズと付き合ってるの？って」
「・・・」
「だから、付き合ってるよって言っといた」
「はあ？」
平然とした口調でチエちゃんは爆弾発言をした。
驚いて大きな声を上げれば「声大きい」と笑われる。
長い髪の隙間からゆらっと揺れるピアス。土曜日に買ったピアスだった。
チエちゃんに似合ってるなって意識を逸らしていたけど、さらっと流せる問題でもなかった。
「付き合ってない！」
「付き合おって言われてるんでしょ？」
「ま、まあ…」
「じゃあいいじゃん」
「全然よくないから！」
うふふって楽しそうに笑っているチエちゃん。
前からチエちゃんは重要なことをノリで片付ける癖がある。
考え過ぎて慎重になる私とは対照的。
二宮のノリとチエちゃんのノリに、どれだけ私が振り回されたことかと昔の記憶を思い出して、懐かしさが湧き上がった。
「だって私、二宮の肩持つってAにちゃんと言ったでしょ？」
「言ったっけ？」
「とぼけないでよ(笑)」
「ごめん」
チエちゃんには素直になれることが二宮とは違う点だろう。
意味もなく二宮を思い出して嫌気がさす。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年4月10日 19時
