１％の意地 ページ5
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「飯、どうする？」
ダラダラと時間を過ごせば、気付けば日が暮れていた。
「お寿司食べたい」
「Aの奢りな」
「まあいいけど」
二宮には何だかんだお世話になっているし、奢ってもらっているし、今日の夜ご飯は私の奢りにした。
二日連続でデリバリー。この先もデリバリーで夜ご飯を済ますことを考えると、お金が結構かかる。
そんなことを頭の片隅で考えている時点で、この家に暫くお世話になろうと私の心は99％傾いていた。
残りの1％は素直になれない私の意地だろう。
たった1％に理由がどれほど必要なのか、現時点で考えても見つからないから投げ出して、二宮とお寿司を食べていた。
「今日は俺がベッドな」
「仕方ないなあ」
「随分と傲慢な態度だなお前は(笑)」
コツン、と頭にグーパンチされた。キッと睨み付ければ「ぶさいく」と鼻で笑われる。
もうその言葉にいちいち傷つけられるのは御免だ。
聞こえなかったフリして、ごろんとソファに横になれば、「俺風呂入って来る」と言って二宮は立ち上がった。
ソファに横になったまま流れているテレビをぼーっと見ていれば、「おい」と肩を揺す振られてうた
た寝していたことに気が付いた。
「風呂入ってくれば？」
「そうだね」
ガシガシとタオルで髪を拭きながら、二宮は缶ビールのプルタブを開けて、ゴクッと口に運んだ。
「ビール飲みたい」
「風呂上がりの方がいいだろ」
「風呂入るのめんどくさい」
「俺が入れてあげよっか？(笑)」
ニヤリと口の端を上げた二宮を無視して風呂場へと向かった。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年4月10日 19時
