Baby sugar knight Ⅱ【K.N】 (ページ31)

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ゴミがついていただけで、そこまで驚いた表情を浮かべているのは可笑しかった。

最初はそうだと納得しようともした。だけど出来なかった。

妙にリアルだと思っていたのは本当にリアルだったんだと確信が出来たせいだ。

意味が分からない。

とにかく意味が分からなかった。

ドキドキと心臓がバカみたいに鼓動を速める。

どうしてキスなんてしたのか、訊けなかった。

どうして誤魔化したのか、訊けなかった。

「煙草」

「やめない」

「やめてよ」

「やめない」

煙草を口に咥えた二宮の姿に、ふと現実に引き戻された。

空気はいつもと同じ。

白い煙が立ち上る。苦味が鼻を掠める。

二宮は平然とした態度。

だから、訊けなかった。

二宮には彼女がいる。

私は、少しだけ二宮のことが好きな気持ちがあった。

バカみたいに早打ちする心臓。

私は、二宮が好きなんだ、と確信する。

だけどそれは一瞬で砕けた。

好きじゃない、と誤魔化して、嫌いな理由を探し始めた。

そして大学四年の春。

潤くんに出会って、「恋」をした。

二宮に対して抱いていたのは「恋」じゃないと決めつけて、潤くんに「恋」をした。

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