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あとで折り返す、と言って一旦電話を切った。
家に帰って適当にご飯を済ませ、チエちゃんと電話を繋げる。
『もしもし』
「で、話」
『開口一番それなの？』
「マネてみた(笑)」
左手でスマホ、余った右手で煙草を手に取った。
そういえば…、と思い出すのは懐かしいやり取り。
「煙草」に関連付いたAの声を思い出しながら、ライターで火をつける。
『松本くんが、…――』
―――…バカみたいだなって思う。
『それで、別れたんだって』
―――…バカみてぇに好きだな、って。
『二宮、私ね…』
「チエちゃんが気にすることねぇよ」
『先読みしないで』
「俺が諦めきれねぇのが悪い」
『そのくせ随分と遊んでたみたいだけど？(笑)』
「そこは見なかったことにしてよ(笑)」
白い煙を吐き出す。
消えない恋心が色付き始めた。
色褪せることない恋心。
「何でアイツのこと好きなんだろ俺…」
『二宮らしくない』
「好きすぎて苦しいんだよ」
『それも二宮らしくない』
「あのさ、俺らしくないって何だよ(笑)」
『一途で女々しいところ』
「これが恋ってやつだろ？」
『そのセリフは二宮らしい、無駄にキザな感じ』
「フハッ、貶してんの？褒めてんの？」
『褒めてる』
苦しい。苦しい。
苦しくて、愛おしい。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年4月10日 19時
