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“ちゃんと、話がしたい”
日曜の昼に言われた言葉を思い出す。
潤くんの言い訳は聞きたくない、と強がったけど言い訳を聞きたい自分がいたのかもしれない。
だから簡単に忘れられないんだ。
潤くんは真面目だからきっと何かあったのかもしれない。
自分の都合の良いように捉えているだけだと分かっていても、どこかでそう思いたかった。
“別れよう”
責任からその言葉を吐き出したのかもしれない。私をこれ以上傷つけないように。
その気遣いが逆に傷口を深く広げたことをあなたは知らないだろう。
私は言い訳を待っていたんだ。だけど自ら連絡を無視していた。
矛盾した気持ちの着地点はどこにあるのかもう見つからない。
終着点をとっくに過ぎて、私たちの関係は泡になって消えた。
なのに、忘れられないってどういうことよ、とまた心の内で葛藤が繰り返される。
考え過ぎな私のこの悪い癖をどうにかしたい。一生直らないのかなって思うのは考え過ぎか。
また無駄を繰り返していることに気が付く。
ぐるぐると頭がアルコールに酔っていた。
酔いたいと思っていても酔えないくせに、今日は都合よく酔っていた。
「潤くんが俺の友達じゃなかったら良かった」
「弱気だね」
「俺のメンタルも限界なんだよ」
「諦めればいいじゃん」
「そこは譲れねぇわ」
「それでこそ二宮！頑張れよ」
「俺の恋が報われたらチエちゃんに何か奢ってやるよ」
二宮を好きになれば、私は想い出を忘れられるのかな。
ぼんやりと思う。良くも悪くも二宮が変わっていなくてよかった、と。
ぼんやりと思う。私はズルいんだ、と。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年4月10日 19時
