□ ページ2
.
日曜の昼のテレビは面白くない。
流れているテレビをぼーっと眺めながら、黙ってハンバーグ弁当を食べた。
「潤くんには負けるけどさ、俺もイケメンだよ」
「負けは認めるんだ」
「あの顔には勝てない」
「二宮らしくないね」
「お前だって俺の顔より潤くんの顔が好きなんだろ？」
グサリ、と刺さる。傷口が広がって痛い。
もうこれ以上触れないでよと思いながら「好きじゃないよ」と口にした。
「それさ、俺の良いように受け取っていいの？」
「何となくだめって言っとく」
「うんって言えや」
「嫌だ」
流れているテレビが切り替わった。面白くねぇな、と呟きながら次々にチャンネルを変える二宮。
それをぼーっとまた眺める。
意味もない時間。多分すごく無駄な時間。日曜の昼らしいなとも思う。
きっと穏やかな気分のはずないのに、二宮の態度に心地よさを感じる。
良くも悪くも有難い。
二宮がいなかったら多分こんな気分にはならない。
「一口ちょうだい」
ハンバーグ弁当を食べ終わって、ミニパフェを食べようとした瞬間、スプーンを奪われ、私より先に二宮がそれを口に運んだ。
「あ！」
「俺の奢り」
「文句言おうと思ったのに先回りしないで」
「俺の金」
「はいはい」
あれだけチャンネルを変えたくせに、結局電源をつけたときの番組に戻っていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1721人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妃紀
| 作成日時：2018年4月10日 19時
