____ツ_______方____ ページ8
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裕太に手を引かれ、Aはとりあえずついて行くのがやっとだった。
「裕太?」
裕「ん?」
しばらく無言でAの手を引いていた裕太も、名前を呼ばれて我に返ったようで立ち止まる。
裕「どうしたん?」
「どうしたん?って、怖い顔して手引っ張るから...」
裕「え、ごめん。無意識やった」
「...どうかした?」
裕「ちょっと...ムカついてた」
「そっか...」
ごめんね、とAが言うと、更に顔色は曇る。
裕「何に怒ってるかわかってるん」
「私がハッキリ断らなかったから...じゃないの?」
聞いてたんでしょ?見えてた、とAが言えば、裕太は少しバツが悪そう。
裕「...いいやん」
人がまだそこそこ通る道端で、モゴモゴと裕太が何か言ったが、聞き取れなかった。
「ん?なんて言ったの?」
裕「やから...」
「?」
裕「彼氏が来てるって、さっさとこっちに来てくれたらいいやん...」
「ぷっ...(笑)」
握ったAの手を見つめながら、子供のように言う裕太が面白くて、つい吹き出してしまった。
裕「...笑い事ちゃうし」
「ごめんなさい...(笑)なんか可愛くて」
そう言って顔を覗き込めば、少し頬を赤らめた裕太。
「裕太」
裕「何...」
拗ねてぶっきらぼうに返事をしても、優しく返事をしてくれるAを見て、裕太の心は少し痛む。
「今日は...うちに泊まって行かない?」
遠慮がちに再び顔を覗き込んでそう問いかければ、裕太は静かに頷いた。
こうして2人はタクシーに乗り込み、Aのマンションにやって来た。
「どうぞ」
裕「お邪魔します」
「朝バタバタしちゃって、ちょっと散らかしてるけど(笑)」
いつも綺麗にされているリビングのソファーに、脱ぎっぱなしのパジャマが置かれていた。
裕「もしかしてうたた寝したん」
「うん...まぁそんなとこ(笑)」
少し恥ずかしそうにソファーの上を片付けると、座るように促した。
パジャマを洗濯に出して、すぐにAも裕太の隣に座る。
「まだ怒ってる?」
裕「ん...ちょっと」
「ごめんね?」
そう言って手を握り顔を覗き込むが、裕太は目を逸らす。
裕「ん...」
「どうやったら許してくれるの?」
裕「...してくれたら」
「ん?」
裕「キスしてくれたら...考える」
「考えるだけ?(笑)」
そう言いながらも両手を頬に添えて、優しくゆっくりと口付けた。
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____ノ_______と____→←____の_______貴____
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べてぃ。(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます!ほのぼのした感じが伝わって嬉しいです(^^)今後とも、よろしくお願いします! (2020年1月21日 11時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - BBZ-rarayupiさん» 返信遅くなりました。そう行ってくださると嬉しいです(^^)今後ともよろしくお願いします。 (2020年1月21日 11時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。ほのぼのてした感じで、可愛いカッコいい裕太くん最高でした!めっちゃきゅんきゅんしました〜! (2020年1月20日 22時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
BBZ-rarayupi(プロフ) - もう、きゅんきゅんしすぎてじあわぜ〜です笑 (2019年12月29日 23時) (レス) id: 44d872b8cc (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - こことさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(^^) (2019年12月20日 3時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べてぃ。 | 作成日時:2019年11月6日 0時