____危_______ル____ ページ35
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隼は鏡の前に座ると、メイクを施すAの顔をいつもよりじっくりと覗き込む。
「は、隼くん...そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
隼「あ、すいません(笑)」
「何か付いてますか?(笑)」
Aが笑いながらそう言えば、付いてないよ、と隼。
隼「昨日喧嘩したんすか」
「え?あー...聞いちゃった?」
隼「聞かなくても、あの調子じゃ...ねぇ?」
鏡ごしに机に突っ伏せた裕太を見れば、それもそうだよね、とA。
隼「Aさんの方は、意外と平気そうやけど」
「ちょっと仕事で色々大変で、それどころじゃないかな(笑)」
力なく笑って隼と話している会話の内容に、聞き耳を立てている裕太。
隼「なんかあったんすか?」
「んー、ちょっとね。人事異動がありそうでさ」
隼「え、Aさんジェネじゃなくなっちゃうの!?」
やだよそんなの、と大きめの声で言う。
「今日決まると思ったんだけど、決まらなくって(笑)でも本当にどうなるかわかんないんだ」
隼「えー、せっかく仲良くなったのに」
「そう言ってくれて嬉しい」
ありがとう、とそこからは無言でセットに専念した。
そうこうしているうちにメンバー達は集まって、どんどんヘアメイクも完成していく。
「じゃあ...次は裕太呼んでもらっていいですか?」
玲「はーい」
6人目の玲於も完成して、本日の最後のメンバー、裕太の順番が回ってきた。
裕「お願いします」
シュンとした表情で鏡の前に俯きがちに座る。
「顔上げてくれないとメイクできないよ」
呆れ笑いで裕太の顎を持ち上げる。
裕「...」
「化粧水付けますね」
突然視界にAの顔がアップで映ったので、不覚にも少し頬を赤らめた裕太。
結局メイク中は一言も話さずに、ヘアセットへと移ってしまう。
裕「今日...」
もう少しで終わりそうな時に、やっと裕太が話し始める。
「?」
裕「夜予定あるん」
「ないけど...」
裕「家、行っていい?」
「ごめん、今日は1人で居たい」
裕「何で?」
「そういう日だってあるよ」
裕「話したい」
鏡ごしに目を見ても、Aがこちらを向くことはなかった。
「ごめん...最近裕太に対してモヤモヤしてる部分があったの。だから今日こそそっとしておいてほしい」
少し声を震わせてそう言ったAに、かける言葉が見つからなかった。
結局この日、これ以上の会話は交わさなかった。
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____機_______に____→←____は_______プ____
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べてぃ。(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます!ほのぼのした感じが伝わって嬉しいです(^^)今後とも、よろしくお願いします! (2020年1月21日 11時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - BBZ-rarayupiさん» 返信遅くなりました。そう行ってくださると嬉しいです(^^)今後ともよろしくお願いします。 (2020年1月21日 11時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。ほのぼのてした感じで、可愛いカッコいい裕太くん最高でした!めっちゃきゅんきゅんしました〜! (2020年1月20日 22時) (レス) id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
BBZ-rarayupi(プロフ) - もう、きゅんきゅんしすぎてじあわぜ〜です笑 (2019年12月29日 23時) (レス) id: 44d872b8cc (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - こことさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです(^^) (2019年12月20日 3時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べてぃ。 | 作成日時:2019年11月6日 0時