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Aの部屋に戻って、早速Aは夕飯の支度に取り掛かった。
定番で、とハンバーグを作ることにしている。
昼間の残りのコンソメスープとトマト缶を使って、煮込みハンバーグにしようと企んでいた。
手際よく調理を進めていると、裕太はキッチンの隅に立って、その姿を見つめている。
「どうした?」
裕「見たくて」
「なんか緊張するんですけど...(笑)」
裕「え、ごめん...(笑)」
謝りはするが、どうしても見ていたいようで、そこから動こうとはしない。
「裕太くんは、一番好きな食べ物何?」
裕「んー、海鮮丼かな」
「意外と魚派なんだ」
裕「1番は刺身が好きやもん」
「そっか。ジェネはみんなお肉が1番かと思ってた(笑)」
話をしながらも、手際が変わることはなく、料理を進めていく。
裕「めっちゃ慣れてるやん」
「ん、そうだねー。両親共働きで店やってたから、子供の時からよくしてた」
裕「そっかー。俺そんなん全然してへん」
「男の子はいいんじゃない?うちの弟も何もしてなかったよ(笑)」
裕「弟おるん?」
「うん。隼くんたちと同い年」
裕「そっかー」
そんな会話をしていると、あとは煮込むだけの状態になった様子。
「もう少しだから」
裕「うん、ありがとう」
「もう座ってていいよ?(笑)」
裕「ん...じゃあ」
名残惜しそうな表情で、ソファーに戻っていった裕太。
こうして夕飯が完成して、テーブルに運んでいく。
「どうぞ」
裕「めっちゃうまそう!いただきます」
「召し上がれ」
Aもいただきます、と食べ始める。
裕「ん、めっちゃうまい」
「よかった(笑)」
裕「お店出せるで」
「大げさだって(笑)」
裕「ほんまうまいねんもん」
そう言ってハンバーグを頬張る裕太を、微笑ましく見つめる。
15分もすれば、裕太のお皿はほぼ空っぽだった。
「早かったね(笑)」
裕「うまくて夢中で食べてたもん(笑)」
「喜んでくれたならよかった(笑)」
ふと裕太の顔を見ると、口の横にトマトソースが付いているのに気付いた。
「もう、付いてるよ(笑)」
ティッシュを取って拭いてあげると、自然と少し距離が近くなって、視線が重なる。
ゆっくりと裕太の顔が近付いて、唇が重なった。
ほんの数秒が、1時間にも感じるような瞬間だった。
「...」
裕「...ごめん」
「ううん...」
食事中だというのに、無言で俯きあってる2人。
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べてぃ。(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです(^^)私自身いつも裕太くんに母性をくすぐられてるので(笑)これからもよろしくお願いします。 (2019年9月22日 16時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
龍 - べてぃ。さんの書く裕太くんがめっちゃ可愛すぎます!!癒されましたぁ!これからもがんばってください! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 39b806bb30 (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - hasamiさん» 私がどれだけ裕太くんに母性をくすぐられてるかが出ちゃってますね(笑)そう言っていただけて嬉しいです(^^)引き続きよろしくお願いします! (2019年9月17日 23時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
hasami(プロフ) - べてぃさんが描く裕太くんが、ちょっとだけ子供なところが堪りません(笑)可愛いです(笑)今回もとても面白かったです! (2019年9月17日 22時) (レス) id: 88809e26ca (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - あさのさん» いつもありがとうございます。途中少ししつこいかな?と思ったりもしましたが、そう言って頂けて嬉しいです(^^)これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年9月17日 1時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べてぃ。 | 作成日時:2019年9月13日 23時