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裕太くんに後ろから抱きしめられて、心臓の音がうるさくなるのがわかった。
「裕太くん...?」
裕「ごめん...さっきキスした」
え、何それ?
私が寝ちゃってた時にしたってこと...?
「え...」
裕「ごめん...なんか今申し訳なくなってん」
そう言ってギュッと手に力が入って、胸がキュッと締め付けられた。
やっぱり私、いけない人に恋してるのかな。
「ん...大丈夫」
そう返すしか私にはできなかった。
私がそう言ったら、行こう、ってハリネズミがいるリビングに連れて行ってくれた。
裕「こっち。こっちがマイロでー、こっちがアルビー」
いつもよりスラスラと喋る裕太くんの目はキラキラしてて、愛されてるんだなーって、2匹を見てほっこりした。
裕「懐くとかそういう感じちゃうんやけど」
そう言いながら、自分の手の匂いを嗅がせてた。
「可愛いね」
裕「でもまだ夕方やから、眠そうやな」
夜行性やから、って言いながら2匹を見つめる裕太くんの目はすごく優しかった。
「可愛い」
裕「ん、可愛いやろ」
「親バカだね(笑)」
裕「そうやねん(笑)」
初めて、まともに見つめ合って笑った気がしたくらい、一瞬時が止まったような感覚になった。
「ふふ、裕太くんも可愛いよ(笑)」
裕「また俺のこと可愛いって言うやん(笑)」
恥ずかしそうな裕太くんが愛しくて、思わず抱きしめそうになった腕を必死に抑える。
裕「コーヒー飲む?隼にもらったやつがあるんやけど」
「じゃあ、もらおうかな」
裕太くんがコーヒーを入れてくれて、ちゃんとミルクも入れてくれて、手渡してきた。
裕「こっち座って?」
「うん、ありがとう」
並んでコーヒーを飲む私たちって、周りから見たらどう見えてるんだろう。
そんなことを思ったけど、口には出せなかった。
裕太くんは...私のこと、よく思ってくれてるのかな?
そんなことを考えたら、コーヒーのほろ苦さがちょうどよかった。
裕「なぁ...」
「ん?」
裕「今度はもっと面白い映画見よか」
「うん...そうだね」
裕「せっかくやし...Aちゃんが見たい映画、一緒に見に行こうや」
「え、映画館に?」
裕「え、あかんかった?」
「ううん!あかんくない!」
思わず関西弁が移っちゃって、裕太くんに笑われた。
「もう、笑わないでよ(笑)」
裕「だっておもろかってんもん(笑)」
私たちはコーヒーを飲んだら、また私の家に戻った。
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べてぃ。(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです(^^)私自身いつも裕太くんに母性をくすぐられてるので(笑)これからもよろしくお願いします。 (2019年9月22日 16時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
龍 - べてぃ。さんの書く裕太くんがめっちゃ可愛すぎます!!癒されましたぁ!これからもがんばってください! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 39b806bb30 (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - hasamiさん» 私がどれだけ裕太くんに母性をくすぐられてるかが出ちゃってますね(笑)そう言っていただけて嬉しいです(^^)引き続きよろしくお願いします! (2019年9月17日 23時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
hasami(プロフ) - べてぃさんが描く裕太くんが、ちょっとだけ子供なところが堪りません(笑)可愛いです(笑)今回もとても面白かったです! (2019年9月17日 22時) (レス) id: 88809e26ca (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - あさのさん» いつもありがとうございます。途中少ししつこいかな?と思ったりもしましたが、そう言って頂けて嬉しいです(^^)これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年9月17日 1時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べてぃ。 | 作成日時:2019年9月13日 23時