_________ ページ16
.
寝る前に脳内でシミュレーションした洋服を数パターン並べ、どれにするか選ぶ。
それが終わったかと思えば、しっかりと洗顔をして、スキンケアも怠らず入念に行った。
「私、好きじゃん」
裕太のために一生懸命準備している自分に、思わずツッコミを入れながらも、少し寝不足の肌にメイクを始める。
ケバケバしくならないようにメイクをして、自然な感じに髪の毛もセットした。
決めていた洋服に袖を通せば、待ち合わせの10分前になっていた。
裕太はほとんど眠ることが出来ず、唸りながら起き上がる。
寝不足の顔をどうにか解消しようと、水で顔を流し、寝癖も整えた。
何を着ようかとクローゼットと睨めっこすること10分。
ようやく着るものを決め、袖を通す。
どうせ帽子を被るというのに、もう一度寝癖がないかチェックしてしまう自分に、呆れ笑いが出てくる。
裕「高校生並みやな...(笑)」
ハリネズミたちに行ってきます、と告げ家を出てエレベーターに乗り込む。
腕時計を見てみると、まだ待ち合わせの10分前だった。
早かったと気付いたが、もう家を出てしまったので、一足先に待ち合わせ場所に向かった。
Aが玄関を出て、マンションの前の道を覗き込むと、すでに来ている裕太の姿を見つける。
慌ててカバンを持って、しっかり施錠確認をして家を出た。
___________________
「おはようございます、お待たせしました!」
慌てて降りてきたAを見て、また裕太は視線をそらす。
裕「おはよ。待ってへんよ」
そう言うと、一歩先を歩き出す裕太。
「見てたよ、上から」
裕「え?」
「早く準備終わったから、上から覗いたら裕太くんが見えたから、慌てて降りてきた」
裕「...そうなん」
少し恥ずかしそうに視線を逸らした裕太の耳は、昨夜のように赤く染まっていた。
Aは笑うのを堪え、一歩後ろをついて行った。
目的のパン屋に着くと、朝食のラッシュは終わったのか、さほど店内は混み合ってなかった。
「イートインスペースも空いてそうだね」
裕「そうやな」
「何にする?」
そう言って、トレーとトングを手に取って、商品に視線を移す。
裕「んー、どれ食べたん?この間」
「この間は確か...あ、これだ」
そう言って指差したのはクリームパン。
裕「じゃあ俺それ食べる」
「他は?足りないんじゃない?」
裕「んー」
「あ、フレンチトーストおいしそう」
.
224人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
べてぃ。(プロフ) - 龍さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです(^^)私自身いつも裕太くんに母性をくすぐられてるので(笑)これからもよろしくお願いします。 (2019年9月22日 16時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
龍 - べてぃ。さんの書く裕太くんがめっちゃ可愛すぎます!!癒されましたぁ!これからもがんばってください! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 39b806bb30 (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - hasamiさん» 私がどれだけ裕太くんに母性をくすぐられてるかが出ちゃってますね(笑)そう言っていただけて嬉しいです(^^)引き続きよろしくお願いします! (2019年9月17日 23時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
hasami(プロフ) - べてぃさんが描く裕太くんが、ちょっとだけ子供なところが堪りません(笑)可愛いです(笑)今回もとても面白かったです! (2019年9月17日 22時) (レス) id: 88809e26ca (このIDを非表示/違反報告)
べてぃ。(プロフ) - あさのさん» いつもありがとうございます。途中少ししつこいかな?と思ったりもしましたが、そう言って頂けて嬉しいです(^^)これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年9月17日 1時) (レス) id: adc0117cbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:べてぃ。 | 作成日時:2019年9月13日 23時