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ab「翔太、」
nb「んー？、っ」
ab「守ってくれて、ありがとう」
nb「阿部ちゃん、」
ab「翔太も、こわかったよね、」
遠慮がちに抱きついてきた阿部ちゃんが、俺の好きな人が、自分の胸に頬を寄せて目を潤ませてるなんて。…そんなの、耐えらんない。
ab「、翔太、？どうしたの？、っわ、」
髪に伸びてきたその手を取ってベッドに押し倒すと、隣で涼太が息をのんだ。
nb「好きだよ阿部ちゃん」
ab「え、？翔太、っんん、」
阿部ちゃんのせい。そう自分に言い聞かせて、唇を奪った。指を絡めて、できるだけやさしく咥内を舌で撫でる。薄目を開けると阿部ちゃんはぎゅっと目を瞑ってて。それでも俺を拒否しないのが可愛くて、下腹部が疼く。
ab「ん、くるしっ、、だてさん、」
dt「ごめん阿部、俺にはとめることはできないんだ」
涼太は俺が阿部ちゃんの首に吸いついても、ただ眺めてるだけ。
nb「涼太、おまえこんなときまで紳士ぶってていいの？阿部ちゃん俺がもらっちゃうよ？」
こうやってわざとカマかけないと、こいつは動かない。
nb「ストーカーと対面したときおまえの方が殺気立った目してたくせに、ただ黙って見てんだ？とられたくないって気持ちが醜いからって隠してんの？」
dt「やめろ、」
nb「俺は自分がどう思われようと関係ない。臆病なふりしてるおまえとは違う」
dt「翔太、」
ab「っやめてよふたりとも、！」
目の色を変えた涼太が俺の胸ぐらを掴んできて、俺も負けじと睨み返した。涼太の腕を阿部ちゃんが必死に離そうとしてるけど、びくともしない。
nb「はやく本性みせろよ、本当は凶暴なくせに」
俺は知ってるから。一度箍が外れたら豹変するところ。だから俺が、その箍外してやるよ。
dt「あべ、」
ab「だてさ、っ！」
阿部ちゃんにゆるく跨っていた俺を突き飛ばして、涼太はあっという間に阿部ちゃんの衣をひん剥いた。すぐさまつつみこむものがなくなったそこに手を伸ばして刺激を与えはじめる。
そうそう、そうこなくちゃ。
nb「あーおもしろ。まじでジキルとハイドみてーな変わりようだよな」
なんで俺がこんな涼太を知ってるかなんて、そんなのひとつしかない。欲の処理相手だからだ。そこに愛はない。ただ互いに同じ人を重ねて、抱いて抱かれる。陳腐な行為。
nb「阿部ちゃんははじめてなんだからなんか優しい言葉でもかけてあげないとだめだろ？」
ま、そうさせなくしたのは紛れもない俺だけどね。
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作者名：微.
| 作成日時：2020年8月29日 12時
