［La neige］ⅳ (ページ19)

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nb「好きりょーた、だいすき、」

普段はお互いあまり想いを口には出さないけど、行為中はたくさんいってくれるから、頻度が絶えないのは、仕方のないことだ。

dt「ん、いた、」
nb「ごめ、ちょい激しくしすぎたわ」

背中にできた、床で擦れたちいさな蚯蚓腫れがひりひりした。

dt「もっかいするなら、ゆるしてあげる」
nb「え」
dt「え？」
nb「いーの？」
dt「しないの？」
nb「する、するする！いっかいとはいわず！」
dt「、それはおれがもたない」

よたよたする俺を翔太がなんとか支えてベッドに倒れこむと、翔太の家とは違う匂いがした。数ヶ月前まで当たり前に嗅ぎ慣れてた匂いのはずなのに、なんだか落ち着かない。ホテルにいるような気分だ。そわそわした背徳感に似たそれを隠すように、翔太に縋り付いた。

dt「翔太、顔びしょびしょ」
nb「ふはっ、涼太も髪びちょびちょだし」

どちらからともなく唇を重ねてまた快楽の波に身を委ねる。
翔太の真似をして耳の裏の匂いを吸い込むと、昔から変わらない優しい甘さと仄かな爽やかさ。俺も、翔太の匂いが一番好きだ。
でもまだそれは、本人には言ってやらない。今はただ、翔太の熱を感じたいから。

fin.