［La neige］ⅳ (ページ13)

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mm「阿部くん、きもちよかったですか？痛いとこないですか？」
ab「うん、大丈夫。あのね目黒、」
mm「まって、いわないで」
ab「え？」
mm「最後にもういっかいだけ、していい？俺、まだおさまんなくて、」
ab「最後、？」
mm「阿部くん、今俺に別れ話しようとしたでしょ？」
ab「え、っしてないしてない！なにそれ！」

なんか、すごい勘違いしてる気がするんだけど。

mm「だって、さっき泣いてたし、」
ab「あれは、」
mm「それに、さっき好きって言った阿部くんの匂い深く吸い込んだとき、そういえば翔太くんもこの匂いしてたことあったなって、だから俺じゃなくて翔太くんのとこにいっちゃうんだと思って、」

あちゃー、そこは計算外だったな。

ab「ちがうよ、俺が翔太に相談して真似させてもらっただけ」
mm「相談、？」

あー、言葉濁すときっと理解してくれないよなぁ。

ab「だからそのー、目黒を誘惑するために使ってたの、」
mm「…ん？」

やっぱり、理解不能みたいだ。

mm「…誘惑ってどういう意味ですか」
ab「は！？あとで携帯で調べろ！ばか！」

瞬時に顔に熱が集中する。誘惑を説明しろだなんて、恥ずかしすぎる。

ab「つまり俺は、目黒とこういうことがしたかったの」
mm「え、」
ab「この前断っちゃったことで目黒を傷つけたならごめん。でも、俺もそれなりに寂しかったっていうか、…極端なんだよ目黒は、」
mm「すいません、不甲斐なくて」
ab「あーごめんごめん、そんな落ち込まないで？おバカさんな目黒も好きだよ」
mm「慰めるのか貶すのかどっちかにしてください」
ab「ふふっ。ほら、機嫌なおして」

お詫びに目黒の顔をつかまえて至るところに唇をおとした。わざとリップ音をたてるたびにむずむずと目黒の口角があがっていった。

mm「もっとして」
ab「いいよ？」

かわいいおねだりにつられて、顎からあがった口角へとたどって、最後はふっくらした下唇を甘噛みして舌をすべりこませた。髪を撫でてやると抱きつく力が強まって、そのまままたソファーに押し倒された。

mm「っ、阿部くんキスうまい、なんかやだ」
ab「んっ、なんでよ。俺はもう目黒としかキスしないんだから、いいでしょ？」
mm「…ん、そうだよね」
ab「もういっかい、するんでしょ？はやくおいで？」
mm「…ずる、」

今まで我慢させちゃった分、今日はたくさんしてもゆるしてあげるから。ね？

fin.