_________ ページ5
.
明るくしていた髪も、暗くなった。2人で並んでるとチャラチャラしてるって言われたなー。無駄にギャルに声をかけられた時期だった。
髪に隠された、左耳の2つのピアスホール。俺の耳にも、同じもの。これも若気の至りってやつで、体を繋げるようになる前に体になにか印をつけたいっていう辰哉の提案で、ピアッサーでお互いの耳に傷を付け合った。
これは辰哉には言ってないけど、俺がフープピアスしかしないのはそれを指輪と同等のものだと思ってるから。だって、男同士で、ましてや兄弟でペアリングなんてつけらんねえだろ。だから、俺はこのフープピアスに密かな誓いを立ててる。辰哉が望むなら、親も幼馴染も友達も、人生捨ててもいいと思ってる。ま、大袈裟か。それに辰哉はヘラヘラしてるように見えてしっかりしてるから。そんな過ちを侵そうとはしないだろう。
nb「髪伸びてきたな。切ってやろうか？」
fk「あーそーいやそうねー、うん、お願いしようかな。タダで切ってもらえるもんね」
俺は来年の春大学を卒業するけど、もう就職先は都内のサロンに決まってるから、あとは履修と卒論をクリアするだけ。辰哉に言われて真面目にやってきたからめちゃめちゃラク。
炭酸飲料が半分も減ったのに、まだ辰哉はPCを弄ってる。なんか、そろそろ我慢できないかも。
nb「まだ終わんないの？」
髪をかけてあらわにしていた左耳に舌を這わせる。
fk「ん、ちょ、しょーた、」
nb「これメールの画面じゃねーじゃん」
fk「ちょっとバグみつけちゃったから直してたの、あとちょっとだからそれだけまって？」
nb「まてない。もう充分まったし」
PCをとりあげてケースの上に乱雑に置いて辰哉の手を引いた。カラン、とアメリカンドックの串が地面に落ちる音がした。あとで拾うから。ごめんね。
石造りのでかい滑り台。洞窟のようになってる中の空洞に辰哉を押し込む。ここで体を重ねたのははじめてじゃない。家でやるのもいいけど外のほうが辰哉が感じやすいから俺にとっちゃ好都合なわけで。
nb「いいでしょ？辰哉」
メガネをはずして、揺れてる瞳をじっくり見つめる。
fk「…ん、いいよ、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1378人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：微.
| 作成日時：2020年8月9日 21時
