［amaurophilia］ ページ1
nbsk
_お付き合いしてます
(sk)
きっかけは、俺が涼太のソロで使用する黒いレースを間違えて持って帰ってきてしまったことだ。
nb「これってさー完全に見えないわけではないけどあんまり見えないよね」
sk「そうだね、不明瞭なかんじ。どうかした？」
nb「いや、うん…なんでもない」
この時はステージに向かうまでが不安なのかな、くらいにしか思ってなかった。
翌日は夜のラジオ収録があるだけで、翔太も特に予定はなく、俺の予定といえばアニメで嫁チャージをするくらいだったから、アラームを設定することなくふたりで眠りについた。
まず感じた違和感は瞼をひらいたら睫毛が何かを掠めたことだった。なんだろう、これ。
強請って仕方なくしてもらった腕枕の感触もない。
sk「しょーたぁー？」
シーツをさわさわしてみたが、微かにぬくもりを感じるだけで、隣に寝ていないことがわかった。
これ、もしかしなくてもレースつけられてる？
後頭部に手をやってみると結び目がかたくて、とれない。
nb「起きた？佐久間」
sk「翔太どこ？今なんじ？」
nb「朝の8:15くらい」
sk「まだはやいじゃん、二度寝しよ？」
nb「佐久間喉乾いたでしょ？」
翔太が二度寝の誘いをスルー？なんで？
sk「乾いてるけど、」
nb「持ってきてやったから、飲みな」
sk「ありがと」
両手にでコップを握るよう誘導されて、躊躇いなく飲んだ。
sk「これ、なあに？」
nb「紅茶」
sk「ふーん」
たしかに甘い匂いがする。
nb「コップ洗ってくるから」
sk「ん、わかった」
枕元に置いていた端末を見ても、よく見えないから見るのを諦めた。翔太おそいなぁ。コップ洗うくらいで。シャワーでも入ってるのかな、でも音しないし。
sk「っ、！？」
様子を見に行こうとベッドの上で膝立ちになったら、自身が反応を示していた。
え？なにこれ。朝の現象にしては、いきすぎでしょ。
nb「どこいくの？佐久間」
壁伝いに部屋を出ると、ちょうど翔太が戻ってきた。
sk「しょうたがおそいから、っん！」
顎をするりと撫でられただけで、へんな声がでた。
nb「二度寝するんでしょ？」
手を引かれてベッドに戻ったとき、翔太の手がいつもより冷たく感じた。いや、俺の手が熱いのか？
nb「おやすみ」
今度は躊躇いもなく腕枕をしてくれて髪を優しく撫でられる。それだけでも髪一本一本に神経があるかのようにぴくりと体が反応した。
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作者名：微.
| 作成日時：2020年8月9日 21時
