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舞台期間中でも、合間にグループ仕事はあるからまったく顔を合わせなくなるわけじゃないし、見学にも来てくれたのに無性に寂しくて。
大阪にいても、タイにいても、アホみたいにラウのことばっか考えとった。
待ちに待った約束の日。タイのお土産を持ってラウんちに向かった。
いつもは送っていくだけやけど、今日は玄関より先に入れてくれるんやもん。それに、仕事がないラウのお出迎え付き。
下心はないつもりやけど浮かれちゃうよな。
普段は面倒なコインパーキング探しも全然億劫に感じひんかった。
kj「お邪魔します」
ru「いらっしゃいませ」
kj「んはっ、なんか緊張しとる？」
ru「、ちょっとだけ」
セットされてない髪を撫でると少し強張ってた表情が綻んだ。
kj「ん！なんかいい匂いするやん」
中に進むとふわっと甘い匂いが漂ってきて。
デザート用意してくれたんかな、お土産いらんってなったらどないしよ。
ru「気づいた？実はね、青椒肉絲作ってみたの」
青椒肉絲…？ほんならもっとソースとかの匂いするはずやのに。
kj「あ、青椒肉絲かぁ」
ru「うん、…？」
気のせいやったんかな。
kj「いただきます！」
楽しみすぎて、ひとくちめは自分でもちょっと入れすぎちゃうかってくらい頬張ったのに。
噛んでも噛んでも、味がしやん。
え、なんで…？
ru「…もしかして、美味しくない…？」
kj「え！？んなことないよ！めっちゃ美味いもん！おかわりしたいくらいやわ！」
ru「そっか、よかった」
混乱した思考が顔に出たのかラウの表情も暗くなりかけて、慌てて言葉を紡ぐ。
ラウによそってもらったおかわりを咀嚼しながら、直近の感覚を辿っていった。
タイにいた頃まで普通に味わかってた。だって毎日めちゃくちゃ食ってたし。
今日は？寝坊して朝食作れんかったし、ケータリングも薄味なんかなって思ったけど特に気にせんかった。
kj「作ってくれてありがとうなぁ、嬉しいわ。また作ってな？」
ru「うんっ」
落ち着け。そんな、…味覚なくなったとか、そんなんちゃうよな、？
ru「ん！ん〜〜っおいしい〜！」
動揺を隠すのに必死で、アイスなんて呑気に食えんくて。ラウが美味そうに食べてるのを眺めることしかできひん。
ru「あっ！」
アイスがラウの手に落ちて、それを舐め取った舌が異様に色っぽく見えて唾を飲み込んだ。
…なんやの、変態みたいやん俺、
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作者名：微.
| 作成日時：2023年7月29日 1時
