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kj「ラウ！」
ru「康二くん…、…っ」
力が入らない腕で抱きつくと頭を優しく撫でてくれて、不思議と体の震えがおさまっていった。
kj「交番通りかかったから一緒に来てもらったんよ。遅なってごめんな」
ru「ううん…助けてくれてありがとう」
警察の方に紹介された病院で処置を受けている間、俺より康二くんが泣きそうになっていて。
それから経緯を聞かれて、知らない人に尾けられたところからされたことまで全部話したら、ついに康二くんの目から涙が零れた。
『念のため行った検査を踏まえてですが、村上さんはケーキであることが判明しました。』
ru「え…」
ケーキ…？俺が…？
だって、入所する時に検査したらなんともなかったのに。
『稀にみられる後天性のケーキという結果で間違いないと思います。フォークに襲われる被害に遭ったのは今回が初めてですよね？』
ru「はい…」
『今後もこういったことが頻発する可能性があるので生活には十分気をつけてください。村上さんのお仕事の業界にも捕食目的で入り込むフォークもいないとは断言できません。』
目の前が真っ暗になりかけて、これから先どうすればいいのか考えようとして頭も痛くなってきた。
『身を守るためにも周囲の信頼できる人に話して体制を整えることが最優先です。』
デリケートなことだから自分の性を口にしないのは暗黙の了解で、みんながケーキかフォークかすらわからないのに…
kj「先生が言ってたことは正しいけど、ラウールはどうしたいん？」
ru「…この怪我の理由を誤魔化したら怪しまれるのわかってるけど、俺は……今は、まだ言いたくない…」
kj「そっか、…俺はもちろんなんでもないし、俺が知ってる限りメンバーにはおらんから。せめて7人には伝えた方がいいと思う」
直接的な単語を避けてくれてる康二くんの言いたいことはわかる。
kj「知ったからには絶対ラウは俺が守るから。」
ru「…大丈夫だよ…」
自分がケーキだったなんて、まだ…信じたくない。
kj「でも、もし今日みたいなことがまたあったら心配やし、」
ru「いいってば！！」
つい声を荒げてしまって。康二くんが息を呑んだのを感じて、我に返って顔を上げる。
kj「…俺じゃ頼れへんよなぁ、」
ru「、ぃゃ…」
kj「せめてめめになら話してもええんちゃう？一緒におる時間長いやろうし、…ごめんなしつこくお節介して」
きっと、…ううん、確実に、俺は康二くんを傷つけてしまった。
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作者名：微.
| 作成日時：2023年7月29日 1時
