［unconventional］ (ページ15)

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sk「よかったね〜って俺がヘラヘラ笑って送り出すとでも思った？、俺には翔太しかいないのに！！翔太は俺がいなくてもへーきなんだ、なんも考えずにどこへでも行けちゃうんだね！、っ」
nb「なんでンなこと言うんだよ！！俺だって…！」

俺だって、…たくさん悩んだし、すっげー色々考えたよ。
だけど、俺がそれを佐久間にぶつけるのは間違ってる。

nb「…俺の顔見なくていいから、一回だけこっち向いて…お願い」

少しだけこちらを向いてくれた佐久間の目の前で、学ランから第二ボタンを取り除いて。

nb「これ…受け取ってほしい」

佐久間のてのひらに、それをのせた。

sk「なに…」
nb「第二ボタン。」
sk「っ…！」
nb「佐久間に渡すって決めてたから」

佐久間がくれたものたちにくらべたら、ちんけなものかもしれないけど。

sk「、勝手すぎるよ…俺、捨てるかもよ」
nb「…いいよ。それでも。…佐久間に嫌われたとしても、渡したい物も言葉も、全部伝えられたから。」

これでもう、悔いはない。
そう自分に言い聞かせた。

sk「…じゃあ、俺のお願いも一個きいて、」
nb「ん？なに…？」
sk「はじめて聞かせてくれた曲、聞かせて。…俺のためだけに歌って」
nb「わかった。」

つらいのも、もどかしいのも、全部取っ払って。
佐久間のためだけに…本当にそれだけを思って、歌い上げた。

nb「佐久間、俺に夢をくれてありがとう。」
sk「、ありがとう、っ…、翔太、」

なかなか涙がとまらない佐久間が、そっと俺に身を寄せてきて。
こんな俺が受け容れていいのか一瞬迷ったけど…次はいつ感じられるかわからないそのぬくもりを、ぎゅっと閉じ込めた。

そして翌日。
佐久間に渡せなかったラッピングボックスと、佐久間との思い出がたくさんつまった端末を置いて。

俺は韓国へと飛び立った。

fin.