［ファーストラヴ］ ページ1
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nbsk
_non real
_お付き合いしてません
(sk)
中学1年生の3学期が終わろうとしている今、俺はちょっとだけ精神的に不安定で。
家の近所の公園で、気が済むまで泣いてから帰宅するのが日課になっていた。
学校では友達と呼べる人はおろか、挨拶を交わす程度の薄っぺらい人間関係しか作れないし、習い事は上手くいかないし…
毎日全然楽しくなくて。大袈裟だけど、何のために生きてるのかすらわからなくなっていた。
sk「、っぅう…」
その日は、数学の授業で先生に当てられた問題の解答を間違えて、クラスメイトに嗤われた。
それで落ち込んでいたら、習い事のダンスではアクロバットを失敗して足首を捻挫した。踏んだり蹴ったりってこういうことだよね…
「大丈夫？」
sk「…ふぇ？」
人に声をかけられるなんて思わなくて、泣いてることも忘れて顔を上げたらどこかで見たことある顔の男の子が俺を見下ろしていた。
「ブランコ座ってからずっと泣いてるから」
ずっと、って…いつから見られてたんだろう、？
「ぁー、俺あそこで寝てたの」
親指で示された方を見ると、トンネルのような空洞があるコンクリートの滑り台だった。
「俺のお気に入りのグミやるから元気出せよ」
sk「、んむっ」
グミをくれた指が微かに唇に当たって、胸がきゅってした。
こんな寒い時期に外で寝るなんて…じゃなくてこの人、
sk「わたなべしょうたくん、ですよね…？」
nb「俺の名前知ってんの？」
sk「有名人、だから…」
学校は違うけど、隣の中学で同じ学年の渡辺翔太くん。
隣の中学にすごいイケメンが入学してきたらしい！って女子が騒いでて。写真入手したってみんなに見せびらかしてたから見覚えがあったんだ。
nb「有名人？」
sk「うん、かっこいいって」
nb「ふーん。そんなことよりさ、名前おしえてよ」
sk「佐久間大介。隣の一中に通ってて、学年は同じ中1だよ」
自分がモテてると知っても興味なさそう。俺だったらきっと飛び上がって喜んじゃう。まぁ、陰キャの俺にはそんなもの縁がない人生だけど。
nb「佐久間はなんでさっき泣いてたの？」
sk「へ、」
痛いとこを突かれた。…けど、誰かに話を聞いてほしかったのは確かで。
気づけば普段の学校生活から今日あったことまで曝け出してしまっていた。
せっかく引いた涙もまた出てきてたどたどしかったはずなのに。時々相槌を打ちながら、渡辺くんは最後まで聞いてくれた。
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作者名：微.
| 作成日時：2023年7月29日 1時
