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中から出てきたのは、いつかの保健の時間に見たことがある、妊娠しているかしていないかを検査するキット。
それは反応していた。
「妊娠…してたの?」
「うん、でも大丈夫だよ?いつもの人にすぐにネットで相談したらね、お薬もらえたから」
床に散らばった、まるでワイドショーで取り上げられそうな怪しい包装紙に鳥肌が立つ。
「冬休み中にその人と会うようになってからね、これ打ってからやったらアガるよって言われて」
彼女の目線が注射器に行ったところで最後まで聞く気になれず、俺はワイシャツのボタンを中途半端に留めたまま部屋を飛び出した。
ざわつきの正体は恐怖だ。
もしも妊娠云々が自分のせいだったらと思うと吐き気が止まらない。
しかも彼女は「いつもの人に」と言った上に、冬休み中には薬の販売人と、…想像するには趣味が悪すぎる。
俺が大好きだった可愛い君は幻だった?
彼女が特別狂っていたのは明らかだったけれど、自分も十分狂っていたことに気づいたのが今だということが一番怖かった。
彼女はすぐに学校に来なくなって、半年後に彼女の机には1本の花瓶が置かれていた。
トラウマどころではない。
どこから後悔しているのかもわからない。
もう二度と、こんな目には遭いたくない。
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きき(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白い作品でした。またの執筆も楽しみにしています。素敵なお話をありがとうございます。 (2018年10月8日 2時) (レス) id: eb92b527a6 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 完結おめでとうございます!ありがとうございます!感動して泣きそうになりました!お疲れ様でした! (2018年10月6日 9時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
プチラメ(プロフ) - 芽衣さん» はじめまして、コメントありがとうございます。恐縮です…終盤仕上げておりますので更新お待ちください〜!! (2018年9月29日 1時) (レス) id: 4bd9b9ee69 (このIDを非表示/違反報告)
プチラメ(プロフ) - ささやんさん» コメントありがとうございます!私も書きながらワクワクしてまして…そう言っていただけて嬉しいです。頑張ります☆〜(ゝ。∂) (2018年9月29日 1時) (レス) id: 4bd9b9ee69 (このIDを非表示/違反報告)
芽衣(プロフ) - はじめまして。今読んでいる作品の中で一番すきです。更新楽しみにしています。 (2018年9月28日 1時) (レス) id: 7fcf2589ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:プチラメ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Petit_lame
作成日時:2018年8月6日 2時