“好きになりすぎた”人 (ページ2)

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Aside

｢ばーか、いいから行くよ？｣

可愛いって言ったことなんてなかったかのように流されたけれど、さりげなく鞄を持ってくれるたかのりくんは優しい

部屋の時計を確認すると、もう少しで家を出なきゃ行けない時間

早く起きたのに今じゃあこんな時間

急いで下に降りるとたかのりくんのお母さんがいて

｢ほら、二人とも食べちゃいなさい｣

おばさんにそう急かされて急いで座って箸をとる

私は、たかのりくんの家に居候させてもらってる

小さい頃にお母さんを病気でなくして、私のお父さんは海外で働いてる

もともと私のお父さんとたかのりくんのお母さんが仲良くて

私を一人暮らしさせるのは不安だからってたかのりくんの家に住まわせてもらってるの

今じゃもうこの生活には慣れたけれど

たかのりくんには慣れない

私の横でご飯を食べながら微笑むたかのりくんが好きで好きで、仕方がないの

多分これから先もずっと、たかのりくんになれることがないんだろうなあ、って

剛｢A、そんな赤ちゃんみたいなスピードで食べてたら間に合わないよ？｣

『赤ちゃんじゃないもん』

剛｢そ？俺にはそうにしか見えなかったけど？｣

悪戯な笑みを浮かべてご馳走様という剛典くんに遅れないように私も急いで食べて学校へと行く準備を始めた

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