彼は“多重人格”です！※男主 (ページ1)

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01 今日の彼は？(マルコ) ページ1

「マルコｫｵｵｵｵ！！！！」

「ぶはっ！！」

「とうちゃーーーく！！」

「到着じゃないよい！！」

俺に突っ込んできた男。
見た目15、6程だが実は25そこそこの立派な大人であり2番隊副隊長を勤めている。

名前はA。

彼は少し変わっていた。

「エース知らないか？！あいつ、まぁた書きかけの書類置いて消えたんだ！！」

顔に滲み出る苛立ちオーラに俺は『あ、今日はこの性格か』と頭によぎる。

日によって変わる性格。
Aは、多重人格だ。

今日は“子供”なんだな。

「知らないよい」

わしゃわしゃと頭を撫でてやる。
猫みたいに目を細めて笑うAはやはり見た目が見た目なだけあって子どもっぽい。

まぁワノ国生まれなのか白ひげ海賊団の中でもかなり背は小さい方だ。

撫でれば撫でるほど揺れる黒髪。

「マルコ～エース探すの手伝ってくれよ～」

「んー、これから親父の所へ行かなきゃならねぇよい」

「じゃあ俺もついてく！！そんで終わったら探そうぜ！」

“子供”の時のAは何を言ってもいうことを聞かない。
俺の腕を急かすように引っ張るAに連れられ、そのまま親父の部屋へ向かった。

「親父ｨ！」

「おー、Aか！！今日は元気だなぁ！！」

Aを見るやいなや親父は豪快に笑った。
それもそのはずだ。
親父も今のAが“子供”なんだとわかったからだ。

「マルコ！早く早く！用意済ませてエース探そ！」

「わかったから少し黙っててくれよい」

「はーい」

「グララララ！！Aはいい子だな」

「やったぁ！！親父に褒められたっ！！」

親父は“子供”のAがお気に入りだ。
本当に子供っぽくなるのに加えて、他の性格よりも素直だからだ。

俺からすると“子供”のAは少々、面倒だった。
子供の扱いに慣れてないのもあるし、とりあえず頭を撫でて褒めてあげれば何とかなるだろ…なんて思ってる。

後は甘い物をやったり、遊び…いや遊びと言っても組手をしたりとか勝負したりとかだが、そんな事をしながら俺はうまく“子供”のAとやってきた。

「んー、眠い」

「もう少しだから寝るなよい」

「んー」

待つのが飽きたのか、親父の部屋にある椅子に座りながら眠そうに声をあげている。

「頼むから寝るなよ！お前が寝るとすぐに起きないんだからよい」

「はーい」

「グララ！いい子だA！！」

結局この後、寝てしまったAを起こすハメになってしまった。