【四天宝寺】魔法使いの飴玉 (ページ3)

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その後の5限目と6限目は爆睡をかました。
しかし口内炎はまだ痛い。
寝惚け眼のまま終礼を終え、そこからのろのろと鞄に教科書を詰め込み始める。

「A！めっちゃ寝癖ついてんで！」

机の横に立ち、けらけらと笑う忍足謙也を見あげれば「今日も早いな……」と呟く。
スピードスターは耳もいいのか、その呟きを拾いあげれば「そやろそやろ！まぁなんてったって俺はスピードスターやしな！」と胸を張ってみせた。

その後もAの準備が終わるまでべらべらとマシンガントークを勝手に続ける謙也にAは苦笑を浮かべながら相槌を打つ。
やっとこさ荷物を纏め終えれば、Aは丸い缶の蓋を開け、謙也の手に1つだけにぎらせる。
何かと思ってひらいた手には可愛らしい包みの飴がコロリと乗っていた。

「スピードスターを待たせてしもたお詫びや、皆には内緒やで」

缶の蓋を閉めながらAは小さく笑う。
このように何かある度にAは飴をくれる。
「皆には内緒」と言うが割と誰にでもあげているため、陰では1週間の間でいくつ貰ったか、等と謎の勝負が行われている。
謙也は貰った飴を口の中で転がしてみる。

「お、レモン味や」
「レモンやった？ええやんアタリやな」
「A何味でもアタリって言うやん」