＊６ ページ7
・
- ten side -
彼女の顔を見た途端に、堪らなくなった。目の奥が熱くて泣きそうになった。本当に、無事でよかった。生きててよかった、と抱きしめたかった。
−−−私の、知り合いの方ですか？
まるで知らな人のようだった。真っ白な顔を見た途端、病室のベッドの上で眠る顔を思い出した。
彼女の記憶の半分は、消えていた。彼女の中のボクという存在も何もかも跡形もなく無くなっていた。
「…………」
元々、あの事故はボクのせいだ。ボクのせいで彼女の記憶は消えた。自業自得なのだ。それでも、彼女だけは、Aだけは生きていてくれて本当によかったと心から思える。
どんなにボクを忘れても、あの子が幸せで暮らせるのなら、それでいいと本気で思ってしまうんだ。
「……天にぃ…どう、だった？」
「…陸。……あの子、記憶が半分ないって。ボクのことを覚えていなかったよ。」
「……そんな…じゃあ、事故のことも？」
「覚えていないって。」
「……そんなの……」
「…やっぱり、ボクは彼女と関わっちゃいけなかったんだ。」
「それは違う、天にぃ！」
「罰が当たったんだよ。」
ボクが事故に遭えばよかったと、その時はそう思った。だけど、今のAを見て、自分が逆だったら多分Aのことを忘れるのは嫌だ。辛いのはボクよりAだ。こんなことで、凹んでたらキリがない。
「…大丈夫だよ、陸。ボクは大丈夫。」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アイドリッシュセブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カセイル(プロフ) - いつも楽しみに更新を待っています。天くんがかっこよすぎるし、主人公を好きって気持ちが伝わってきてすごく続きが気になります！ (2018年4月20日 0時) (
レス) id: 1c2dc806dc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうあ(プロフ) - …無理です最高すぎますどうしましょう！おだしになってる作品2つとも拝見してます頑張ってください！ (2018年4月5日 15時) (レス) id: 8cc14f52c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れい | 作成日時：2018年4月3日 13時
