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「…陸が？」
「うん。さっきまで一緒にいたんだ。いろんな話を聞かせてくれて。」
「…そっか。何か余計なこと言ってなかった？」
「私が、天くんによく怒られてたって聞いた。」
「それは間違ってないよ。」
「…だ、だよね……」
天くんと陸くんは双子の兄弟。言われなければわからなかったけど、二人が纏う優しい雰囲気はとても似ている。
二人の優しさに縋ってしまいたいと思う私もいる。無理に思い出さなくていいよ。なんて、本当はそんなことないはずなのに。
「…私ね、事故にあって目を覚ました時に、両親のことも友達のことも覚えていたから、別にどうだっていいって思った。」
「…………」
「他に必要な記憶は、ゆっくり思い出せればいいって。残りの半分なんて、自分一人じゃ絶対に思い出せないから。でも、天くんが私に会いに来て、優しくしてくれて、好きだって言ってくれて、すごく幸せだった。」
その分、辛かった。彼のような優しい人をどうして私は思い出せないんだろう。自分が嫌になった。
陸くんのことだって、全くわからないまま。どんなに天くんの話を聞いても、全て今の私にとっては新鮮で新しい情報になってしまう。
「……わたし、早く思い出したい。」
「…A…」
「もう一度、天くんの隣で笑いたい。」
記憶を失う前の私が、彼のことをどれだけ愛していたのか、それはわからないけど。今の私だって、天くんのことはすごく大切なのには変わりない。
歪になってしまったシルバーのネックレスが、私の元にあるように。今の記憶は歪だけど、きっと。
「……待ってる。」
「………」
「キミが、心からボクの名前を呼んでくれる日を。」
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カセイル(プロフ) - いつも楽しみに更新を待っています。天くんがかっこよすぎるし、主人公を好きって気持ちが伝わってきてすごく続きが気になります！ (2018年4月20日 0時) (
レス) id: 1c2dc806dc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうあ(プロフ) - …無理です最高すぎますどうしましょう！おだしになってる作品2つとも拝見してます頑張ってください！ (2018年4月5日 15時) (レス) id: 8cc14f52c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れい | 作成日時：2018年4月3日 13時
